| EN |

川島清:路傍ノート
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 2月 17日

《水量-鉄・桜》1984/2000-2006 (部分)
画像提供:ギャルリー東京ユマニテ
Copyright© Kiyoshi KAWASHIMA

川島清は1986-'88 年にAsian Cultural Council の助成を受けて渡米。P.S.1 プロジェクト(ニューヨーク)に参加。1993 年に川島清「内層の視点-Observation」いわき市立美術館、「90 年代の日本-13 人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォルクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館)、2000 年「ART TODAY 2000-3 つの回顧から」(セゾン現代美術館)に出品。精力的に制作活動を続け、個展を発表の中心としています。近年は2006年いわき市立美術館での「彫刻なるもの-川島清、土谷武、若林奮の作品から」、2007 年熊本市現代美術館での「ATTITUDE 2007 人間の家 真に歓喜に値するもの」に出品。日本を代表する彫刻家の一人として活躍しています。

近年の川島清の作品は、即物的な物質性を確保し、作品の根幹を成している物質の本源的な質の開示に至り、身体性を通して獲得された作品表面における質の強度と差異を通して、彫刻空間を創り上げている。その質は明らかに物質の始原に向かっている。川島は彫刻の限界性を自覚し、他の誰よりも緊密にその限界性について関わりを持っている。その内容は、円環をなしている終わりのない暗部に入りこんでいることを示しており、それが川島の作品にある種の神秘的なイメージを与えている。

今回の展覧会は、ここ数年展開されている「水量」シリーズの仕事に連関する、「路傍ノート」と名づけたられた新作が発表されます。

「路傍ノート」はある意味、彫刻の本質を探る試行錯誤から掴まえた「彫刻日記」と捉えることがでます。それは鉄で作られたテーブル状の形態が、接合の役割を担い「テーブル・循環・内庭」をコンセプトとして、鉄、鉛、銅、縄、蜜蠟を素材に、身体性を通した(川島は身体性を日常と考えている)「時間」の刻みを川島的な彫刻観のなかで咀嚼されて表出されます。「水量」シリーズは「垂直」性を捉えることから生まれた、「水平」の「質量」にいたる思考を確立しました。今回の「路傍ノート」はそれらを踏まえた上で、今までとは異なるミクロコスモスをより強く感じさせる作品群が開示されます。川島清の新たな展開を十分にご期待下さい。

※全文提供: ギャルリー東京ユマニテ


会期: 2011年4月4日(月)-2011年4月26日(火)
会場: ギャルリー東京ユマニテ

最終更新 2011年 4月 04日
 

関連情報


| EN |