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中尾ひろ子:grotesque
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 2月 15日

《Corset with Innards》部分|2008年
Mixed media|60x30cm
画像提供:ユミコ チバ アソシエイツ
Copyright© Hiroko Nakano

中尾ひろ子は、90年代にロンドンで制作活動をスタートし、2001年にヴィクトリアミロギャラリー プロジェクトスペースで個展を開催するなどイギリスを中心に制作発表をして参りました。

近作で中尾は、コルセットやスカートの芯(クリノリン)など伝統的な女性の衣服からモチーフを引き出し、文化的制度によって隠された女性の本来的な性質や欲求を暴きだす作品を制作しています。それは社会制度や流行により一元化されてきた“美の価値観”や“欲求“へのアンチテーゼでもあります。

中尾にとって日本でのはじめての発表となる本展覧会では、コルセットとクリノリンのシリーズによるインスタレーションを初発表いたします。

作家コメント
私は、美とグロテスクを同時に表現している。
何が美で何がグロテスクなのか、その境とはなにか。

美とは究極の緊張感であり、その緊張感がゆるむ寸前である。
ゆるむ寸前にその美は最大化され、ゆるんだ瞬間にそれはグロテスクと変化する。

雪が溶けていく寸前の一瞬だけに結晶を見せる、そのようなものである。

そして、美、はかないもの、壊れやすいものを維持しようとしたとき、
その内側にグロテスクが存在する。

美に対する欲求は自然なものであるが、
同一化された美は個性がなく、流行は、過ぎ去った瞬間、美とされなくなる。
そのような美への欲求や精神そのものがグロテスクである。

-中尾ひろ子

中尾ひろ子
神奈川県生まれ

個展
2003 ティム ヘミングトン&中尾ひろ子(コラボレーション)、アンドリュウママリーギャラリー ロンドン
2001 ウスターシティーアートギャラリー&ミュージアムオブウスター イギリス、プロジェクトルーム ヴィクトリアミロギャラリー ロンドン
1998 サンダンサーギャラリー ロンドン
1996 56ロンドンウオール ロンドン

グループ展
2005 Lekker. APTギャラリー ロンドン、My Room. ソフィアンフォルム美術館 コペンハーゲン、Where The Wild Things Are . UTSギャラリーシドニーテクノロジー大学 オーストラリア
2005ー01 フリーズアートフェアー(ヴィクトリアミロギャラリー)ロンドン、バーゼルアートフェアー(ヴィクトリアミロギャラリー)スイス、バーゼルマイアミアートフェアー(ヴィクトリアミロギャラリー)アメリカ、アーモリーショウ(ヴィクトリアミロギャラリー)アメリカ 2004 Extended Painting ヴィクトリアミロギャラリー ロンドン
2003 Tale of the Thread. ロヴェレトコンテンポラリーアートミュージアム イタリア、The Bold & the Beautiful. New Art from London. プロジェクトスペース メルボーン&カーネギーギャラリー オーストラリア
2002 The Bold & the Beautiful. マイルエンドパークパビリオン ロンドン、A Little Bold & Beautiful. ファーガソンギャラリー ロンドン、Beyond The Pale: Material Possibilities. ノイバーガーミュージアムオブアート ニューヨーク、Japan Four. パンプハウスギャラリー ロンドン
2000 Crossed Purposes. マフジギャラリー ロンドン、スノーギャラリー ロンドン、Assembly. ステップニーシティー ロンドン、Together Again. パンプハウスギャラリー ロンドン、Plastic. ヒースロー空港 ロンドン
1998 Number Sixteen. メイフェアー ロンドン、Music Room. グレイス ロンドン
1994 Office. タワーブリッジ ロンドン

※全文提供: ユミコ チバ アソシエイツ


会期: 2011年3月4日(金)-2011年4月9日(土)
会場: ユミコ チバ アソシエイツ VIEWING ROOM-shinjuku
オープニング・レセプション: 2011年3月4日(金)18:00 - 20:00

最終更新 2011年 3月 04日
 

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