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吉田沙織:見える部屋 見えない部屋
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 2月 04日

画像提供:art project room ARTZONE

本展覧会が初個展となる京都造形芸術大学大学院生の吉田沙織は、会場となるart project room ARTZONE の1階と2階を「ふたつの部屋」として捉え、それぞれの空間の特性を取り込み、新たな作品として提示します。

ARTZONE1階部分は、ガラスの壁面と吹き抜け天井であるため、通行人や上階の店舗利用者からの視線に晒される「見える部屋」。反対に2階部分は小さな窓以外からは外部から閉ざされた「見えない部屋」。吉田が見いだしたARTZONEの「見える部屋」「見えない部屋」は、通常の作品展示場という役割を超えて、人々に“見る”ことへの欲望をかきたてる装置となります。

1階部分の「見える部屋」では、ガラス壁に半透明のドローイングが施され、床や螺旋階段、吹き抜け天井にも帯状のドローイングが縦横無尽に展開されます。 ドローイングに導かれながら、空間内の構造をなぞるように“見る”ことで、平凡な空間も「作品を通してたという新たな見方が生まれます。

2階部分の「見えない部屋」には、無数のドアが立ち並んでいます。ほぼ全ての「部屋」にはドアがあり、外の音や空気を遮断したり部外者の侵入を防ぐ役割を果たしています。しかしそれ故に、人はドアに引き付けられてしまうのです。ドアは人々の「見たい」という欲望をかきたたせます。期待と興味そして少しばかりの下心を持って開いた「見えない部屋」のドアの向こうには、いったい何が待っているのでしょうか。

日常で当たり前のように見えているものにもう一度目を向けていただき、新たな発見が通勤通学路、学校、会社、あるいは自分部屋など日常の見飽きたものごとに生まれるきっかけとなることを願って、吉田沙織個展「見える部屋 見えない部屋」を開催させていただきます。
文責:似内達吉(芸術表現・アートプロデュース学科 2回生)

吉田沙織(よしだ さおり)
1985年 富山県生まれ
2005年 京都造形芸術大学 美術工芸学科日本画コース 入学
2007年 宮元亜門と京都造形芸術大学の学生7名によるお茶会プロジェクト、HOTEL T’POINT アートプロジェクト2007
2008年 ベルギー短期交換留学
2009年 京都造形芸術大学卒業制作展 学科賞受賞・魚津市埋没林博物館にて常設、ラ・プリマヴェーラ賞 受賞、京都造形芸術大学 大学院 芸術表現専攻 入学、世界アーティストサミットにスチューデントアーティストとして参加
2010年 ダンス白州2009空の節会に作品展示、名和晃平、プラブター・コーンによるショートフィルム制作プロジェクトに参加、二人展「呼吸する部屋」於京都

【関連企画】
オープニングイベント: 1月29日(土)19:30~
舞踊家・渡守希によるダンスパフォーマンス

渡守希(ともり のぞみ)
1984年5月京都市生まれ。07年京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科舞台芸術コース卒業。4歳より日本舞踊(若柳流)を始め、平成12年名取襲名。平成17年より、島根県温泉津町へ神楽の習得に通い、神楽を基本とした創作舞台を数々発表するほか、地域復興プロジェクトの企画に携わる。

クロージングイベント:2月13日(日)
17:30〜  画家・井上文太とのトークショー

井上文太(いのうえ ぶんた)
画家、金子國義に師事。独立後、日本画や油絵をはじめキャラクターデザインや空間美術、刺青などを手がける。個人、企業を問わず様々な業界とのコラボレーションを行うことも多い。2010年、キャラクターデザインを手がけた『連続人形活劇 新・三銃士』が、第36回放送文化基金賞の個別部門において美術賞を受賞。

19:00~ レセプション
今回の展覧会にちなんだ、一味違う調理とドリンクをお楽しみください
19:30〜 舞踊家・渡守希によるダンスパフォーマンス

※全文提供: art project room ARTZONE


会期: 2011年1月29日(土)-2011年2月13日(日)
会場: art project room ARTZONE

最終更新 2011年 1月 29日
 

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