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『ドローイングとは何か』展 第1回公募入選者展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 1月 28日

画像提供:ギャルリー志門

“ドローイングとは何か”
多くのアメリカの美術館にはジャンル別の専門部署と専門キュレーターがいるが、その中に版画、ドローイング、写真といった部門があって、絵画や彫刻と一線を画している。わが国の美術界には過渡的な形で写生やデッサンは存在したが、ドローイングという表現領域はなかった。今日言葉だけが一人歩きして、紙の上に描かれたものをみなドローイングと呼んでいるようだが、これはどうも日本だけの現象である。

因みに「ドロー」(Draw)というのは、「引っ張る」「線を引く」という意味で、「ドローイング」と呼ばれる表現は普通「線描画」と訳され、鉛筆、コンテ、ペンなどで描かれた線の集積による絵画のことである。世界には、「版画とドローイング」の国際コンペもあって、この方面の芸術活動は活発である。

西欧では15世紀末に活躍したドイツのデューラーを始め、数多くの銅版画家が見事な線描の極地を見せており、美術を志すものはみな鉛筆やペンだけで豊かな絵画世界を作り上げたものである。一方型染めや木版画の伝統技法を背景に独自の進展を遂げた版画王国日本に、なぜ版画と密接な関わりを持って育ってきたドローイングが根付かなかったのか不思議でならないが、今からでも遅くないと今回の企画を立ち上げた次第である。
-金澤 毅(美術評論家)

【審査員】 金澤毅(美術評論家) 中林忠良(版画家)

【グランプリ】 池田俊彦

【準グランプリ】 三塩佳晴 吉野章

【入選】 小田隆 北藪和夫 近藤平八郎 高島進 高橋瑠美子 土田瞬 朴寶正 嶺崎茂子

※全文提供: ギャルリー志門


会期: 2011年1月24日(月)-2011年1月29日(土)
会場: ギャルリー志門

最終更新 2011年 1月 24日
 

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