武井裕之:Virgin Butterfly-汚れ無き最後の遊び |
展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2011年 1月 17日 |
『最後の遊びは、変わってゆくことへの反抗』 生命の神秘は誕生ではなく、進化だ。 人は、成長したいと願う一方で、 変わってゆくことを恐れてもいる。
かつて、少女が成長して行く祝いの儀式に、身に纏っていた晴れ着などは、一人前の子供(人間)として認められる様相の象徴でもありました。今日、その通過儀礼として少女たちが見に纏っているのは制服です。いまでは思春期を象徴する、アイコンとまでに、世間に浸透した制服は、まさに彼女達にとっては自身を確立するアイデンティティでもあり、自らの存在を守る鎧でもあります。その存在を捨て、大人へと成長して行く前に見せる、ひとときの迷い、葛藤、困惑は、最後の反抗期であり、彼女達は、お互いの壁を越えて、その不安な気持をぶつけ、絡み付け、自身を確認し合います。それは、傷付きやすい感情から吐き出された儀式であり、また、変わることを恐れる、大人社会へのアンチテーゼでもあります。 すべての現実は幻影だと知っている彼女たちは、ずっと繋がっていたいと、もがく。 大人になると、何もかもが消え失せてしまうことを知っているから、彼女たちは、大人になりたくないと、もがく。 成熟する前に発する、はかりしれないエネルギーが魅せる瞬間の美しさ。 だから彼女達は切なく、愛おしいのです。たとえそれが罪深い遊びだったとしても・・・ -武井裕之
武井裕之 (フリー写真家、フリー音楽ディレクター) 写真を独学で学ぶ。思春期の輝きをテーマに、15年間少女を撮り続ける。近年、コマーシャル・ギャラリー、アート・アイガにてグループ展に参加。銀塩モノクロプリントでは、今回が初の個展。
※全文提供: アップフィールドギャラリー
会期: 2011年2月4日(金)-2011年2月20日(日) 会場: アップフィールドギャラリー
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最終更新 2011年 2月 04日 |