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佐々木健:スティル ライブ
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 1月 12日

《Score》2009-2010年|oil,canvas|72.7 X90.9 cm | 画像提供:青山|目黒 | Copyright© Ken Sasaki

佐々木は1976年生まれ。2002年に東京藝術大学美術学部大学院壁画科修了、在学中より日用品の取り合わせと映像によるインスタレーションを幾つか模索し、その時期の成果である金属製バットを手に町中を徘徊し、その先端が音を立てて地を這う様を追ったヴィデオ作品「bat」は好評で、バルセロナの音楽イベントを「soner 2006」始め、多くのスクリーニングに招かれました。

その後2008年頃から何を思ったのか急に絵画、しかも一見、とても古典的な写実絵画に転身します。特に09年ミサコ&ローゼンでのグループ展「ゲバゲバサマーショー」ではコントレックスのペットボトルと携帯ラジオを描いた油彩画2点を発表し、そのどこまでも事物に忠実であろうとする描写は不審な陰影と透明度を携え、ひと際異常なアウラを発していました。「日用品を凝視して、その微細な光まで描き尽くす」と言う古風な作法を今日の積極的な態度として示したのです。

本展「Still Live」ではターンテーブルやアンプ、ミキサーなどの音響系器機を描いた大作を中心とするシリーズとそれらが活用されるイベントには欠かせないアルコールやグラス、アクセサリやゴミなどの付随物を描いた関連作を発表致します。

町中で見かけた女性に異様な関心を示すかの様な観過ぎな視線と、能力以上に執拗な描写の集積は超絶技巧派とは異次元の、重心の低い硬質な世界を実現しています。またそこまで丹念に音響機材を描き、どれだけギャラリーに並べたとしても轟音や映像や喧噪がひとつも再現されるはずが無く、その隔たりに有機的な時間と静寂の較差を見出し「無音のフェス」状況のインスタレーションとして試みます。

本展ではこれらに鉛筆によるドローイングも合わせた約20点を展示します。 佐々木 健の初個展をぜひこの機会にご高覧下さい。

全文提供: 青山|目黒


会期: 2011年2月12日(土)-2011年3月12日(土)
会場: 青山|目黒
オープニングレセプション: 2011年2月12日(土)19:00 - 21:00

最終更新 2011年 2月 12日
 

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