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ミクロサロン60
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 12月 07日

画像提供:東京画廊+BTAP|東京

開廊60周年記念展。

『ミクロサロン』は、1961年12月に東京画廊で開催された展覧会のタイトルです。21名のアーティストに制作を依頼した小サイズの作品を、画廊の壁面いっぱいに展示した展覧会でした。銀行振込やカード払いなどの支払い方法がなかった当時、一年の支払いを済ませたお客様が、余った予算を持って、正月に飾る作品を求めご来廊されていました。 60周年を迎えることから、今回「60」という数字をタイトルに付けました。山本孝が東京画廊を開廊してから半世紀以上が過ぎ、『ミクロサロン』展に出品したアーティストや作品を購入したお客様の多くは鬼籍に入り、山本も1988年に他界しています。しかし、何十年も前に画廊で展示されていた作品が最近オークションに出され、また個人蔵作品として美術館に出展されるなど、再び私たちの前に姿を現しています。長い月日が経った今も作品は残され、人々を楽しませています。

今年、東京画廊+BTAPを支えて下さっているアーティストたちの協力のもと、『ミクロサロン』展を50年ぶりに復活させることになりました。日本の現代美術が誕生し新世代のコレクターが台頭した1960年代、『ミクロサロン』展は若いアーティストとコレクターの出会いの場でした。一方、21世紀の最初の10年が過ぎ去った現在、アートバブルとも言われた時代が終わり、新世代のアーティストは新たな展開を見据えて、試行錯誤を重ねています。60周年という節目にあたって同展を開催することが、アーティストとコレクターの新鮮な出会いの場となることを願っております。 本展では、各作家に制作を依頼した小作品を展示する他、1961年のミクロサロン展の写真や、過去の展覧会カタログも並行して展示する予定です。また本展の開催に合わせて、弊廊の過去の展覧会活動の全記録を網羅する、『東京画廊+BTAP60周年記念カタログ(仮題)』を出版いたします。

【出品予定作家(順不同)】
新正卓、関根伸夫、菅木志雄、小清水漸、黒川弘毅、林武史、瀧本光圀、松井紫朗、金田勝一、吉田暁子、佐々木卓也、西澤千晴、松浦浩之、大巻伸嗣、東亭順、古家万、山口理一、渡邊陽平、宮澤男爵、吉田茂規、栗原一成、北川宏人、平良美樹、こんどうひさし、高橋淑人、鈴木伸吾、荒木省三、古林希望、山田彩加、矢柳剛、岡本信治郎、李禹煥、朴栖甫、金昌永、沈文燮、高明根、蔡國強、袁順、宋冬、王舒野、呉強、大岩オスカール、杉山功 (計43名)

【東京画廊+BTAP 年譜】
1950年(昭和25年) 12月、山本孝と志水楠男により東京画廊を設立。中央区銀座6-4に東京画廊の事務所を開設。
1951年(昭和26年) 安井曾太郎の紹介により中央区銀座7-5(現在資生堂前)の三ッ喜ビル内に移転。東京画廊第一回展覧会、鳥海青児展を開催。
1956年(昭和31年) 志水楠男氏が独立し、中央区日本橋に单画廊を設立。
1957年(昭和32年) 山本孝が日本洋画商組合の結成に尽力し、同組合発足とともに理事に就任。理事長に日動画廊の長谷川氏が就任。
1958年(昭和33年) 山本孝が4回目のヨーロッパ・アメリカ視察旅行を行う。この旅行をきっかけに、ヨーロッパの現代作家の日本への紹介を決意。瀧口(評論家)の紹介で斎藤義重と知り合い、斎藤氏を始めとする国内抽象作家の個展を積極的開催することになる。
1961年(昭和36年) カタログデザインを杉浦康平に委託。
1962年(昭和37年) 組織を株式会社とし、山本孝が取締役社長に就任。
1963年(昭和38年) 中央区銀座8-6-18に移転。
1964年(昭和39年) 数年来、精力的に設立準備を行った長岡現代美術館(新潟県長岡市)開館。以降、公開審査制による長岡現代美術館賞などの運営に携わる。
1972年(昭和47年) 「アジアの美術」シリーズとして美術の民族的なルーツを辿る展覧会を随時開催。第一回は『李朝影幀と民衆画』。併せて韓国現代美術の多くの作家を、日本国内へ紹介し始める。
1984・85年(昭和59・60年)設立30周年として『ヒューマン・ドキュメンツ’84’85』を開催。
1988年(昭和63年) 6月9日山本孝死去。(享年68歳)
1989年(平成元年) 中国現代美術の蔡國強、范鐘鳴、王新平の三人展を開催。、上海在住の作家の協力のもと、『中国現代美術「今」展』を開催。
1991年(平成3年) 徐冰展を開催。以降、中国の現代美術作家を日本に紹介する。
2002年(平成14年) 北京の798地区に最初の画廊としてオープン。
2005年(平成17年) 中央区銀座8-10-5に移転し現在に至る。

※全文提供: 東京画廊+BTAP|東京


会期: 2010年12月4日(土)-2010年12月25日(土)

最終更新 2010年 12月 04日
 

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