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石上和弘:荒野へ
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 11月 26日

画像提供:路地と人

酪農家のもとに生まれ現在も故郷である静岡を拠点に活動する石上は、自身にとって最も身近なモチーフのひとつである乳牛を創り続けてきました。今回は「荒野」をテーマに、かつて牛舎としてその役割を担っていた柱や柵を作品の一部に使い、視覚・触覚・嗅覚で体験できる彫刻を展示します。また、期間中はゲストを招いてのトークやライブも予定しております。ここでのテーマも「荒野」。さて、作者の言う「荒野」は、そして「地続きの未来」は神保町へ繋がるのでしょうか?

『荒野へ』
自身の制作はいま、一人荒野に立っているという感じがしている。
それは孤独ではなく、制作者の本来の立ち位置だと思う。
荒野に立っては能動的に自分から動き出すしかない。
そう思うと荒野とは希望のある場所で、未来である。まさしく「青年は荒野を目指す」のだ。
そして未来とは、この先の時間の流れの中にだけあるものではない。
僕の父は若いころ生業として酪農を始め、今、年を取り、仕事を終えようとしている。
この仕事を始める前の父親が描いたであろういくつかの夢は、いま僕が抱く希望と同等のものではないのか。
未来は皆に対等であると思う。
遡って父の未来をも含めて、いま自分自身が立つこの場所で未来を見つけたい。
作品は生活の中での飛躍ではあるけれど、地続きのものでもある。
この希望ある荒野で、地続きの未来を示すことが出来ればいい。

今回の展示では「路地と人」を荒野に見立て、体験的に鑑賞できる木彫を出品する。
人は彫刻と共にcowboyとなり、荒野を目指す。

-石上和弘

石上和弘 (いしがみ かずひろ)
1966年 静岡市生まれ
1991年 武蔵野美術大学彫刻学科卒業
1996~2003年  同大学非常勤講師
1999年 静岡県立美術館非常勤嘱託員 実技室の企画、運営を担当(単年度)

個展 (主なもの)
1996年「泉の器」ギャラリー那由他(横浜)、「Habit/Habitat」CACギャラリー(東京)
1997年「道のりと目的」松明堂ギャラリー(東京)
1998年「羊水浴」ガレリヴォワイヤン(静岡)、ガレリアグラフィカBis(東京)
2000年「生まれ出ずる場所」プラスマイナスギャラリー(東京)
2003年「風景に流してしまうもの」ミクスドメディア(静岡)
2004年「私を連れていって」ギャラリーユイット(東京)、「アダムの着衣」元麻布ギャラリー(東京)
2005年「庭の高さ」プッシュピンギャラリー(静岡)
2007年「脱衣室」シャギードッグギャラリー(東京)、「粒子の向こう側」帝塚山画廊(大阪)
2008年「納屋」ギャラリーユイット、「BUS STOP」マキイマサルファインアーツ(東京)

グループ展 (主なもの)
1997年 神奈川アートアニュアル'97「明日への作家たち」、神奈川県民ホールギャラリー(神奈川)
2003年 NCAF名古屋コンテンポラリーアートフェスティバル
2005年「GAW展5」新宿ゴールデン街(東京)
2007年「静岡アートドキュメント」青葉シンボルロード(静岡)、「メキシコ.日本交流彫刻展」(ユカタン州メリダ)、「2007第五届中国画廊上海展覧会」(上海)
2008年「日本の微熱」高島屋美術画廊(東京)
2009年 神戸ビエンナーレ(兵庫)、「The Library/この場所で」静岡アートギャラリー(静岡)

その他
2008年「ハムレットマシーン」舞台美術 舞台芸術公園(静岡)

■■12/5(日)17時スタート 『チャイでトーク、静岡は荒野か?』■■
ゲスト:大岡淳(静岡県舞台芸術センターSPAC文芸部スタッフ、月見の里学遊館芸術監督)
参加費:1000円(Cookieの朝採り牛乳で作るチャイ+ヨーグルト付)

■■12/11(土)18時スタート 『荒野も師走』川端龍太と久保田晃弘によるライブ■■
出 演:川端龍太(サウンドオーガナイザー/ギターユーザー)
久保田晃弘(サウンドパフォーマー/ギターメイカー)
参加費:1000円(Cookieの朝採り牛乳で作るチャイ+ヨーグルト付)

※全文提供: 路地と人


会期: 2010年12月4日(土)-2010年12月18日(土)

最終更新 2010年 12月 04日
 

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