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宮島達男:Warp Time with Warp Self
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 11月 09日

“Changing Time with Changing Self No.2” 2001, 216 x 396 x 15 cm(参考作品)
Installation view at Contemporary Art Gallery, Art Tower Mito, photo: Sadamu Saito
画像提供:SCAI THE BATHHOUSE

LED(発光ダイオード)のデジタル数字を使用した独特の表現手法で国際的に評価の高い現代美術アーティストの宮島達男(1957年東京生まれ)の作品は、日本国内でも六本木ヒルズテレビ朝日社屋の外壁に恒久設置された「Counter Void」、そして瀬戸内海の直島の古民家に展示されている「Sea of Time '98」などを通じて広く知られております。

宮島達男の全ての作品に共通しているのは時間と空間の感覚です。
絶え間なく数を表示しつつ点滅するLEDのデジタル数字、そこに生命の営みのリズムを発見することにより鑑賞者は作品により強い印象を持つようになります。
21世紀の今では「LED」は普段の生活の中で見慣れた風景の一部になりましたが、宮島達男が初めて作品に用いた1980年代後半の時点ではこれはまだ未来の可能性を示すだけの未知の素材のひとつでした。

このように1980年代後半からいち早く注目したLEDという素材を通して、20年を超える期間「デジタル数字」を常に自身の表現言語に使用してきた宮島達男が、新しいテーマとして現在模索しているのが、単純なアルゴリズムの下に支配されない自由で跳躍した時間や空間の在り方です。これまでの作品では、法則に従った規則正しいリズムの中で、発光ダイオードが点滅を繰り返すことにより現れる秩序と静寂の下にその表現手法が評価されてきました。しかし、今回の新作では、これまでの既存の「静謐な」イメージをやぶった意欲的な挑戦が繰り広げられます。

新作の重要なコンセプトは、時間と空間の規則性を超えたところに展開する数字と数字の関連性、それが生む偶発的な事象によるイマジネーションの飛躍です。
その中であらゆる事象や生命は一所にとどまらず、既存の発想の枠を超えて多くの物事と関わりながら豊かな進化を続けます。
この新しい世界観の在り方は、一方でアーティストが初期の頃から掲げ続けてきた三つのコンセプト「それは、変化し続ける」、「それは、あらゆるものと関係を結ぶ」、「それは、永遠に続く」にも通じる考え方であり、その世界をさらに推し進めた展開と考えられます。
本展はこのように宮島達男の考える新しい宇宙の在り方を示唆する最初の展覧会となります。ぜひご期待ください。

※全文提供: SCAI THE BATHHOUSE


会期: 2010年11月12日(金)-2010年12月22日(水)12:00 - 19:00|日・月・祝日休廊

最終更新 2010年 11月 12日
 

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