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石塚沙矢香:かけらはただよひ
編集部ノート
執筆: 田中 みずき   
公開日: 2010年 10月 25日

是非、会場で、観るというより体感すべき展示。

展示空間一杯に、透明の、不定形のプレートが天井から無数に吊るされている。プレート上に載っているのは、割れた陶器。会場を進むと、プレートがゆらゆらと揺れていく。 透明のプレートは、割れた器から流れ出た汁のようにも、器が割れたことで今まで見えていなかった結界のようなものが見えたようにも、確かめるのも怖い位に、ただふらふらしている、あやふやな地面のようにも見える。

誰もが、いつか割ってしまったものがあっただろう。その体験を思いおこさせ、様々な思考を沸き立たせてくれる。今までは歴史を持った場所の空気を生かしてきた作者が、場の力から独立してホワイトキューブで、普遍的なものをつかんだように思える。

最終更新 2015年 10月 31日
 

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