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MOTコレクション:クロニクル 1947-1963 | アンデパンダンの時代
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 10月 19日

中西夏之《洗濯バサミは攪拌行動を主張する》1963年(部分)
撮影:後藤充

東京都現代美術館の常設展示である「MOTコレクション」では、約4,000点にのぼる収蔵品を核に、現代美術についての理解を深めるため、多角的な視点からテーマを設けて、これを紹介しています。今期は、「クロニクル 1947-1963|アンデパンダンの時代」「特集展示|ピピロッティ・リスト」「特別展示|森万里子」を開催します。

クロニクル 1947-1963|アンデパンダンの時代
「クロニクル」とは、昨年度より始めた、戦後日本美術を見直すことを目的としたテーマ展示です。今期は、日本美術会と読売新聞社がそれぞれに主催していた、無審査・自由出品による展覧会である「アンデパンダン」をとりあげます。日本美術会は、1946年に結成された民主主義を標榜する美術団体であり、 1947年に第1回展を開催し、現在に至っています。一方の読売新聞社は、1949年に第1回展を開催、1963年の第15回展をもって終了しました。ほぼ同時期に、同じ東京都美術館を会場として開かれていた二つの「アンデパンダン」展は、特に若い作家たちを育む貴重な土壌となりました。敗戦とその後の復興の現実の中から、何を見つめ選びとることで、作品のリアリティを創り出していくか、そうした追求によって生まれた数々の作品は、戦後日本美術を見直す上で、重要な位置を占めています。このたびの展示では、二つの「アンデパンダン」展における出品作家・作品の変容を辿るとともに、作品についての複眼的な考察を試みます。

出品作家
上野誠、内田巌、大塚睦、新海覚雄、鶴岡政男、永井潔、中村宏、山下菊二、利根山光人、藤松博、毛利武士郎、工藤哲巳、三木富雄、菊畑茂久馬、中西夏之ほか

特集展示|ピピロッティ・リスト
ピピロッティ・リスト(1962‐)は、チューリッヒを拠点に活動するビデオ・アーティストです。今回展示する《A Liberty Statue for Tokyo》に用いられている映像は作家が日本とスイスで撮影したものを中心に構成され、自然と文明の調和をテーマとしてつくられています。ライトブルーのたっぷりと襞のあるカーテンに囲まれたインスタレーション空間に入ると、内側は赤い木でできた四角い構造の中央に鏡がはめこまれ、天井のスクリーンに投影されている映像が鏡に映り込んでいます。その鏡の周辺にマットがあり、ゆっくりと座りあるいは寝ころびながら映像をご覧いただくことができます。 本作品は、オーストリア・ウィーンにあるエッセル美術館から今後10年間の長期にわたり当館に寄託されることになったものです。今回は、この作品を日本で初めてご紹介するとともに、映像作品2点をあわせて展示します。

特別展示|森万里子
90年代半ばから活動を開始し、国際的に高く評価される森万里子の作品をご紹介します。 モナ・ハトゥーム、レベッカ・ホルン、山川冬樹など当館の収蔵作品もあわせてご覧いただけます。

※全文提供: 東京都現代美術館


会期: 前期:2010年10月29日(金)− 2011年1月30日(日)
            後期:2011年2月26日(土)− 2011年5月8日(日)

最終更新 2010年 10月 29日
 

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