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東郷拓巳 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 10月 06日

《でも、もう》2010年|テラコッタ・アクリル絵具・木材・セメント・ナイロン・エポキシ樹脂・植物・金属・石膏|800×350×250mm|画像提供:ギャラリー58

東郷拓巳は1983年三重県生まれ。2005年福井大学教育地域科学部芸術・保健体育教育コース美術教育サブコース卒業。初個展となる今回の展示では、『自己認識』と『はじまりのようなもの』をテーマに、テラコッタと石膏をベースに異素材を組み合わせた人物像を展示いたします。

人物の形態について、「モデルを見て制作したものもありますが、対象や解剖学的な形態の再現よりも私の感覚、観念を重視し、制作しました。私の作品は、決してリアルである必要はなく、ただ、さりげなく人の形をしたものであれば良いのです。」と語っています。

胸像下に付けられた箱は、今回作家にとって新しい試みであり、植物や写真などを封入した透明樹脂のオブジェは、精神内部の現象のようなものを暗示しています。

作家コメント
好きなものを造るのに間違い無いのですが、これまで恣意的にモチーフを探し、 幾つかの素材を組み合わせ、彫刻を制作してきた私にとって、自己の作品について語るのは、困難なようです。

ただ、わずかながら制作を続けてみると、作品群から気付くことがありました。
一つ目は、作品中にたいていは女性像とともに、小さく体形が曖昧な小人が登場すること。
彼はどうやら七歳の時の私らしく、双葉の芽を携えます。芽は成長することはなく、ただただ見えないところで深く根をはっているようです。女性像ついては、未だ明らかではありません。

二つ目は葉っぱのような、花びらのような、紡錘形が登場すること。
色彩とともに現れます。それらは、私にとって、始まりのような期待感を抱かせます。

三つ目は、毎回、自分自身への気付きがあること。それは、甚だ言葉にしにくいのだけれども…。

つまり制作を通じて私は私の断片を集めようとしているのでしょうか…?
彼らは、一体何を私に伝えようとしているのでしょう…?

プロフィール
1983年 三重県生まれ 
2005年 福井大学教育地域科学部芸術・保健体育教育コース美術教育サブコース卒業

<グループ展>
2002年 二人展『木下・東郷展』 鯖江文化の館(福井)
2006・08年 「福井大学教育地域科学部 芸術・保健体育教育コース美術教育サブコース在学生

OB・OG有志展」 福井県立美術館(福井)
2010年 墨田区図画工作部展『凡友展』ギャラリー山下(東京)

<受賞歴>
2003年 第16回市美展ふくい 彫刻部門  文化協会賞 福井市美術館(福井)
2005年 第60回国民文化祭ふくい彫刻部門 入選 福井市美術館(福井)
2007年 第2回海の見える杜美術館彫刻ビエンナーレ 出品 海の見える杜美術館(広島)
2008年 第21回市美展ふくい 彫刻部門 市長賞 福井市美術館(福井)
2008年 福井県総合美術展 第59回県美展 美術館長賞 福井県立美術館(福井)

※全文提供: ギャラリー58


会期: 2010年10月4日(月)-2010年10月9日(土)

最終更新 2010年 10月 04日
 

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