山内裕美 展 |
編集部ノート |
執筆: 平田 剛志 |
公開日: 2010年 9月 30日 |
これまでアクリルによって風景にドットを組み合わせ、新たな抽象的風景画を創出してきた山内。本展では画材を油絵の具へと変え、風景が油絵の具の物質性に解き放たれた。画面には油絵の具の作り出すストロークや盛り上げなどが見られ、これまでのコンセプチュアルな画風とは大きく変化したのだ。 だが、メディウムが変わったとはいえ、山内が描き出す「風景」が変わったわけではない。以前のアクリルで描かれた作品もドットを描きだすために選ばれた選択であった。つまり、山内にとって画材の選択は恣意的なものではない。今展は初めての油絵による作品だというが、抑制された画面はこれまでの蓄積だろう。 本展で大きく舵をきった山内の今後の展開に注目したい。 |
最終更新 2015年 10月 31日 |