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山内裕美 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 9月 28日

山内裕美 個展-会場風景|画像提供:Oギャラリーeyes

作家コメント
ここ最近実感しているのは、油絵具は紛れも無く物質であるという、ごく当たり前のことがらです。感覚的には描くというよりも触るといった方がしっくりきます。
これまでは専ら映像との関わりを契機として空間を構築していましたが、どのように油絵具という物質と関わっていくのか、いかに画面に置いていくのかということに対しての興味が尽きません。
描くということ、あるいは画面に何かしらの像を定着すること。それらに加えて、これまで以上にメディウムの物質性の問題についても重要性を感じています。

作家略歴
1976 兵庫県生まれ
2001 京都精華大学芸術学部造形学科版画分野卒業
2003 京都精華大学大学院芸術研究科造形専攻修了

個展
2002 アートスペース虹(京都)
2003 Oギャラリーeyes(大阪)
2005 アートスペース虹(京都)
2006 Oギャラリーeyes(大阪)
2007 Oギャラリーeyes(大阪)
2008 Oギャラリーeyes(大阪)、アートスペース虹(京都)、OギャラリーUP・S(東京)
2009 Oギャラリーeyes(大阪) 

グループ展
1999 tabula rasa 1999(京都市四条ギャラリー・京都)
2000 二人展(art boxアンフェール・京都)
2001 KINO PRINT(平安画廊・京都) 
第7回 韓・日大学版画交流展(弘益大学現代美術館・大韓民国)
2002 Work in progress '02(ギャラリーアーティスロング・京都)
第8回 韓・日大学版画交流展(京都精華大学ギャラリーフロール・京都)
主張テン(ギャラリーアーティスロング・京都)
第27回 全国大学版画展(町田市立国際版画美術館・東京)
2003 第9回 浜松市美術館版画大賞展(浜松市美術館・静岡)
2004  トゥールビヨンⅡ (Oギャラリーeyes・大阪)
UI Wang-国際プランカードアート2004(イワン市Pegun湖岸・韓国)
2006 3人展-3styles derived from print making(ギャラリー三条・京都)
The new edge of art 展(京都嵯峨芸術大学付属博物館・ギャラリーアートスペース嵯峨・京都)
2007 Between the scene and the form 07(Oギャラリーeyes・大阪)
International Exchange Project Japanese Young Artists TRIAL in Painting (Incheon Modern Culture Center・韓国)
After Math program No.2 four quarters of a scene 4分の4の光景(The Art complex Center of Tokyo・東京)
2009 ひかりのどけき春-榊原ようこ・山内裕美二人展(コウイチファインアーツ・大阪)
2010 “global connections and implications” Louisiana State University 150th Anniversary(Louisiana State University・アメリカ)

パブリックコレクション
町田市立国際版画美術館、京都精華大学

参考文献
原 久子:「art scape」2003年11月15日号(レビュー)
小吹隆文:「art scape」2007年7月17日号(レビュー)
太田垣 實:「The new edge of art展」カタログ(テキスト)
酒井千穂:「art scape」2008年4月1日号(レビュー)

全文提供: Oギャラリーeyes


会期: 2010年9月27日(月)-2010年10月2日(土)

最終更新 2010年 9月 27日
 

編集部ノート    執筆:平田 剛志


これまでアクリルによって風景にドットを組み合わせ、新たな抽象的風景画を創出してきた山内。本展では画材を油絵の具へと変え、風景が油絵の具の物質性に解き放たれた。画面には油絵の具の作り出すストロークや盛り上げなどが見られ、これまでのコンセプチュアルな画風とは大きく変化したのだ。

だが、メディウムが変わったとはいえ、山内が描き出す「風景」が変わったわけではない。以前のアクリルで描かれた作品もドットを描きだすために選ばれた選択であった。つまり、山内にとって画材の選択は恣意的なものではない。今展は初めての油絵による作品だというが、抑制された画面はこれまでの蓄積だろう。

本展で大きく舵をきった山内の今後の展開に注目したい。


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