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門眞妙:ドラマ
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 9月 13日

画像提供:新宿眼科画廊|Copyright © Tae Monma

門眞妙は高い描写力を下敷きに、少女を描く。世の中には萌える美少女キャラが氾濫しているが、門眞の描く少女はそれらとは一線を画している。

画面の中に閉じ込められた少女達は〔欲望の象徴〕としての自己の存在理由への進退両難を抱え、時が止まったように揺らぎない視線を投げかけてくる。

〔かわいさ〕と〔儚さ〕が混在した画面の前で、漠然とした不安や悲しみを受け取ると同時に彼女達、及び門眞妙の〔強い意思〕が伺い知れる。

都市の物語の断片、あるいは断面。
バスから見えた光景をもう一度見たいと思い、地元の開発予定地を改めて訪れた。
真っ平らに慣らされた真っ直ぐの道路と、残土の山。所々で静かに重機が土をかき集め、運んでいた。
新しくショッピングセンターもできるらしく、荒野の中に完成間近の建物がぽつんと建っていた。
工事現場としても、これから形作られる町並みとしても、どこかで見たことがある光景なのだろう。
昔ここがどんな場所だったかなど知らない。特別な感情も沸かない。
それはどこにだってそうだ。「いま」「ここが」「どうであるか」、位にしか興味がない。
それくらいしか、私には分かり得ないのだ。
見ていると、私の意識までショベルカーによって掻き出され平らかにされるような、静かなノイズを感じた。
真新しい家々が建ち並ぶ頃、私がまた訪れることを想像する。
綺麗に整備されたニュータウンは、あなたなんて知りませんよと冷たい顔をするだろう。
この寂しさから、私は生まれたのだ、と近頃は思うようになった。

門眞妙
1985 宮城県仙台市生まれ
2009 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻

個展
2009 「だけど、忘れられる」(新宿眼科画廊 / 東京)

グループ展
2010 「Mr.のChildren」 (HidariZingaro / 東京)
「カオス*ラウンジvol.2」 (moarag garage / 東京)
「姫・比売・秘めごと」 (ギンザ・アート・ラボ / 東京))
2009 「exceeds it」(新宿眼科画廊 / 東京)
2007 「おとうむとスカートめくり」(exhibit Live&Moris / 東京)
2006 「おとうむとおとうさんとおかあさん」(杜間洞 / 仙台)
2006 「ドリームパワー~夢みる力~」(新宿眼科画廊 / 東京)

その他のプロジェクト
2007-2009 「ワタラセアートプロジェクト」参加(群馬~栃木各所)
2009 演劇公演「はる凄惨」企画制作/舞台監督
2008 鉄道舞踏「ハナノハラハラ」企画制作

※全文提供: 新宿眼科画廊


会期: 2010年9月17日(金)-2010年9月26日(日)

最終更新 2010年 9月 17日
 

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