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明治の彫塑 ラグーザと荻原碌山
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 9月 08日

荻原碌山 《女》 3Dデータ画像

本展覧会は、日本近代彫刻史において重要な役割を果たした二人の作家に焦点を当てて、とくに明治期の彫塑技法に関するさまざまな問題を浮き彫りにしようという試みです。

イタリア人彫刻家ヴィンチェンツォ・ラグーザ(Vincenzo Ragusa,1841-1927) は、明治9 年(1876)に開校した工部美術学校に招かれ、日本にはじめて西洋彫刻を伝えました。ラグーザは明治15 年(1882)に帰国しますが、その間日本でも積極的に制作し近代日本彫刻の基礎を作りました。没後の昭和8年(1933)、来日中および帰国後の作品が妻・清原玉から東京美術学校に寄贈され、今日、そのコレクションは明治初期の西洋彫刻受容の経緯を知るうえで貴重な存在となっています。この展覧会では、ラグーザ芸術だけでなく工部美術学校での美術教育のあり方にも注目していきます。

一方、荻原碌山(守衛、1879-1910)はラグーザの来日から30 年を隔てた明治後期、パリでロダンの《考える人》をみて彫刻家を志しました。パリのアカデミー・ジュリアンで勉強し、明治40 年(1907)に帰国。明治43 年(1910)に没するまでのわずかな活動期間でしたが、碌山の作品は日本の近代彫刻に新しい風をもたらしました。2010 年は碌山の没後100年にあたる記念の年となります。この機会に、展覧会では碌山の芸術を検証するにあたって、とくに絶作《女》に焦点を当てて、石膏原型と複数のブロンズ像との比較、そして新たに石膏原型から鋳造するブロンズ像の制作過程もくわしく紹介いたします。

第一部:ラグーザとその弟子たち
第二部:没後100 年 荻原碌山

※全文提供: 東京藝術大学大学美術館


会期: 2010年10月23日(土)-2010年12月5日(日)

最終更新 2010年 10月 23日
 

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