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TAMA VIVANT Ⅱ 2010:ポイケド・ジャナイ
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 9月 06日

画像提供:TAMA VIVANT II 企画室

TAMA VIVANTⅡ展は、多摩美術大学美術学部芸術学科、海老塚耕一ゼミのカリキュラムの一環として、学生が中心となって企画・構成・運営する現代の美術・芸術のアニュアル展です。展覧会を通して現代の美術・芸術の在り方を積極的にお伝えするとともに、制度や偏見にとらわれない新鮮な眼差しで、日々の創作活動ならびに研究活動を刺激、活性化することに努めています。

27回目を迎える本展は、奥村昂子、フジモトアヤ、前田千絵子、村上郁、森末由美子、柳井信乃の合計6名の作家による50点あまりの作品で構成され、多摩美術大学、パルテノン多摩、代官山Sedonaの3会場を巡回します。

私たちは普段の生活のなかにおいて、ものや自分以外の人間に対して個々それぞれの関係性を想定することで、日常を平安に過ごしています。それは多くの固定された意味や慣習によって形作られたひとつの視線・前提に保護されている日常です。そんな日々の生活のなかでは、疑問を持つことを忘れてしまいがちです。そこで、疑問符を生み出すにはどうしたらいいのかを考えたことが本展の始まりです。
さて、展覧会を構築するにあたり、私たちは、ものごとの関係性やそのものがもつ常識的な意味から一旦離れ、固定された視線・前提を新鮮なものへと還元する契機を模索しました。それは、前提というものを裏切り、免れる瞬間であり、新たな関係性との出会いの瞬間でもあります。私たちは、このような視線から生まれた展覧会を「ポイケド・ジャナイ」と命名しました。「ポイケド・ジャナイ」とは、その名の通り「○○っぽいけど○○じゃない」を略した造語です。「ポイケド・ジャナイ」と出会うとき、ものごとの関係性や意味が剥脱され、変容した対象と自己が持つ固定観念との差異の間で、眼差しはきっと揺れ動くことでしょう。それは本来の姿からずれた対象を理解しようと歩み寄る始まりの動作であり、新たな眼差しを持ってその対象の価値を、自らが創造することにほかなりません。
「ポイケド・ジャナイ」は、私たちに多くの疑問符を投げかけ、眼差しの変容と創造の場を与えてくれることを確信しています。TAMA VIVANTⅡ2010の会場が生き生きとした疑問符で埋まることを願っての展覧会です。

本展覧会では関連企画として、こどもを対象とした鑑賞教育の講座「あそびじゅつ」を開講します。そして本展では、講座で制作したこどもたちの作品を写真展示する予定です。また、代官山Sedona展では、作家を交えたシンポジウムを開催いたします。詳細につきましては、展覧会ホームページをご覧ください。
http://www.tamabi.ac.jp/geigaku/tamavivant/

全文提供: TAMA VIVANT II 企画室


開催情報:
2010年9月17日(金)-10月1日(金)多摩美術大学八王子キャンパス内 情報デザイン棟・芸術学棟ギャラリー
2010年10月26日(火)-10月29日(金)多摩市立複合文化施設パルテノン多摩特別展示室
2010年11月1日(月)-11月7日(日)ラ・フェンテ代官山1F Sedona催事場(東京都渋谷区猿楽町11-1)

最終更新 2010年 9月 17日
 

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