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山内悠:夜明け
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 8月 14日

画像提供:AKAAKA|Copyright © Yu Yamauchi

觔斗雲(きんとうん)に乗って、旅をした

地球と宇宙の境界線、雲平線(うんぺいせん)の彼方に日が昇り、訪れる「夜明け」。
地上3000メートルの高さにある富士山の山小屋で600日間、山内悠は「夜明け」を追い求めた。
時に無限につづく雲海の上を歩き、時に宇宙からこの星を観た。
新しいスケールのこの「旅」は、わたしたちの頭上に広がり、いのちの色を見せてくれる。

僕は富士山の山小屋で600日間に渡る、雲の上の旅を続けました。
そこは宇宙と地球の狭間であり、僕たちはこの膨大な宇宙空間にある地球という星で生きているということを心身で感じました。
この地球は惑星という生きものであり、その躍動も感じることができました。
そして、本当に美しいのです。
夜明けの太陽の光は闇を溶かすように、すべてに命を吹き込み、満たし、育むのです。
それは、愛というエネルギーの現れのように思えました。

僕は、それをただ感じ、写真を撮り続けていました。
そして、それを一人でも多くの人にただ伝えたいと思いました。

光である愛は皆の心にあり、一つの大きなものです。
そして、自分自身を客観的に、この美しい地球で生きる生命体として観ることができたとき、この複雑化され、細分化された人間社会に生きる自分自身をよりシンプルに、より大きな存在として生きていけるのではないかと思います。

皆、大きな世界で生きる大きな存在である。

僕はそう思いました。

すべては何らかの由縁にあると思います。
僕が写真を始め、富士山の山小屋で過ごし、そこで感じたことをこのように形として世に表せること、そのすべてに感謝いたします。

-山内悠

やまうち・ゆう
1977年兵庫県生まれ。独学で写真を始める。2004年より本格的に作品制作を続ける。現在、東京都在住。
受賞: color imaging contest 2006 特選受賞、第31回写真新世紀 佳作(野口里佳選出)、International Photography Award 2009 Fine Art部門Honorablemention受賞

※全文提供: AKAAKA


会期: 2010年8月21日(土)-2010年9月16日(木)

最終更新 2010年 8月 21日
 

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