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ジュン・グエン=ハツシバ:Thank you ありがとう Cam on
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2010年 7月 27日

January 8, 1940 - September 8, 2009 and Onwards (installation detail),2010, 7 meter flag pole, rope, cement, aluminum, pots, soil
画像提供:ミヅマアートギャラリー

ハツシバは1968年東京にて日本人の母とベトナム人の父の間に生まれ、幼少時代を日本で過ごした後、アメリカで教育を受け、現在はベトナム・ホーチミン市で制作活動を行っています。2001年から発表している難民や社会的少数派をテーマに取り上げた “メモリアルプロジェクト”シリーズで広く知られています。

今回の展覧会は、ジュン・グエン=ハツシバの人生の中でもとても大切な人物である亡き父親への感謝の意を込め、芸術家としての創造力と精神性を成熟させてくれた父親との関係をテーマにした展覧会です。またハツシバが継続的に追求し、理解しようとしてきた“メモリアルプロジェクト“の一環であり、ベトナム・日本・アメリカという複数の国境を「ネゴシエーター(交渉人)」のような生活を共にしてきた人生の記憶でもあります。

今回の展示の一つ、『A Picnic under the Sugar Palm and the Bodhi Tree 椰子の木と菩提樹の下でピクニックを』は、ベトナムとカンボジアの国境南端でみられる植物からインスピレーションを受けた作品です。粘土と土でできた巨大な壁のインスタレーションで、地中で2つの木の根が絡み合っている姿を表しています。このインスタレーションでは、鑑賞者に、人間社会から遠く離れた場所(地中)を下から見上げることで、国境という概念を再考させます。

その他、ベトナムと日本、ベトナムとアメリカの国旗をそれぞれ背中合わせにし、双方の距離や異なる国同士の認識を1枚の布の表裏という距離にまで縮めた作品や、7メートルものフラックポールを会場に配置したモニュメンタルなインスタレーション、“Breathing is Free:12,756.3-Chicago,88.5km”の最新作等を展示する予定です。

ハツシバが「芸術を創造する勇気を与えてくれた父に対する愛情」を込めた今回の展覧会をぜひ皆様ご高覧ください。

※全文提供: ミヅマアートギャラリー


会期: 2010年7月28日(水)-2010年9月8日(水) ※夏季休廊: 8月12日(木)-18日(水)

最終更新 2010年 7月 28日
 

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