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中山玲佳:迷宮と果実
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 7月 21日

画像提供:東京モリユウギャラリー
Copyright © Reika Nakayama

その果実を食べると迷宮に入るのか、それとも迷宮を吹けると果実がそこにあるのか、今わからない。
ただ、わかっているのは迷宮というのは一本道で、分岐がないことが特徴の一つとなっているらしいことだけだ。

-中山玲佳

中谷由紀コメント中山玲佳の作品には、花や動物が登場します。それらは中山が夢の中で出会ったものたちです。

メキシコ留学時代に体感した夢が中山の手によって現実世界に昇華され表現された作品群は 一種独特の神話のようなものを想起させます。そこに描かれた物語は、パッショナブルな彩りの地に埋め込まれていきます。中山独特の色彩感覚から生み出された地は、メキシコ留学時にインスパイアされ、近年どんどん洗練されていく様子が見て取れます。

ヴィヴィッドな背景美に浮かぶ黒い動物、鳥が羽ばたく瞬間、白熊が泳いでいる瞬間、シマウマが背を向けた瞬間が、アクリルの上に鉛筆の繊細な線で描かれ、まるで動物たちの息づかいが 聞こえるかの如き印象は、背景の強さに負けない生き生きとしたものとなっています。

夢と現実という相反する状況を圧倒的な立体感で中山は見事に描き上げ、美しくもはかない一瞬が鮮やかに一枚のキャンバスに込められています。背景と動物のつなぎ目に、我々鑑賞者をぽーんっと誘い込み、様々な時間軸を体験させる中山の世界観は圧倒的なダイナミズムを孕みます。

中山玲佳
1975年生まれ。2001年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻 修了。複眼ギャラリー(大阪)などで二度の個展を開催するほか数々のグループ展に参加。今回は8年ぶりの個展となる。

※全文提供: 東京モリユウギャラリー


会期: 2010年7月24日(土)-2010年9月18日(土)

最終更新 2010年 7月 24日
 

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