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ジュン・ヤン:忘却と記憶についての短い物語
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 7月 15日

《記憶と忘却についての短い物語》 2007年
Super 16mm film on HDTV, stereo, 20min.(still)
画像提供:シュウゴアーツ|Copyright © Jun YANG

僕が個人的に経験した出来事・・・何度も言い聞かされてきた僕自身の物語
見たり聞いたりしただけの他人の物語・・・自分で経験してみたかった出来事
フィクションとリアルの境界線が曖昧になっていく。

-ジュン・ヤン (“記憶と忘却についての短い物語”より)

ジュン・ヤンは1975年中華人民共和国生まれ。1979年に家族とともにオーストリアへ移住。現在はウィーン、台北、横浜を拠点に活動しています。2005年ヴェネチア・ビエンナーレ、2006年リバプール・ビエンナーレ、そして2009年ソウルでの“プラットフォーム イン キムサ”などでも国際的に非常に高い評価を得ています。

今回の個展では映像作品「忘却と記憶についての短い物語」を中心に展示いたします。本作品は一人の男性が夜の台北市街を見つめながら“植えつけられた記憶(implanted memory)” について思いをめぐらせているところから始まります。“植えつけられた記憶”とは心理学において、実際とは違う記憶をあたかもその出来事があったかのように他人の記憶に植えつけることを意味します。他人から聞いた体験をあたかも自分が体験したと記憶してしまうこと、そして人はその記憶に能動的に細部を付け足すことによってより強固なものへと作り変えます。

中国大陸から人々が移住してきたそのときに、その島の歴史は4百年から5千年へと変わったと彼は語ります。個人の記憶は理想や願望によって補われ、やがて集団の記憶は都市の姿をも変えていきます。ジュン・ヤンが見せてくれるのは自分の体験から導きだした、個人と世界の関わりに新たな理解を見出すことなのです。

本展では映像作品のほかにネオンを使用したインスタレーションなどを展示する予定です。

※全文提供: シュウゴアーツ


会期: 2010年7月24日(土)-2010年9月11日(土)

最終更新 2010年 7月 24日
 

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