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鎭目紋子:画廊からの発言―新世代への視点2010
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 7月 14日

《水底Ⅵ 澱と光》(部分)
1200×1200㎜|パネル・典具紙、墨、膠、顔料インク
画像提供:ギャラリー58
Copyright © Ayako Shizume

鎭目紋子は1981年東京都生まれ。2003年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。 2007年東京藝術大学美術学部油画科卒業。2009年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了後、水戸市の農業専門学校で学び、2010年3月「しづはら農園」を設立し、農業家の道を歩んでいます。

東京で生まれ育ち、祖母二人とも東京住まいで、所謂「田舎」を持たずに 都会で暮らしてきた鎭目は、「東京」を題材に描いたシリーズを発表してきました。 農業を始めて田舎に暮らし根を降ろして、はじめて東京という故郷を持ち、そしてまた「東京」を描き続けています。

その思いを、「生まれ育ったわたしの、さまよい続けた“東京”を描き続けるのは 故郷のすがたを知りたいのか、あるいは砕きたいのか。 広い画面の遠い風景を、面相の痕で近視的に描こうとするのは、近づきたいが為かもしれない」と語っています。

パネルに、透けるように薄い和紙を貼り、墨とインクで細密に描き、 執拗なまでに薄紙と筆致を重ねてゆきます。 何層にも重ねて描き出された都市の風景―冷たい人工物の塊―は、 無機質でありながら、あてなく蠢き続ける巨大な有機体のようにも見えます。

作家コメント
ある唯一の信心を、試している。
絵画は飽くまで私的であり、ただ徹することでしか普遍をさぐれずに居る。
不可視の根毛と、団粒の構造と、微細な結晶と
首都高から滑り入る空の黒さ。あまさず、日々死に廻る。
泥を払って、身体ぜんたい、遅い筆先に向かってちぢこまり、指になる。

プロフィール
1981年 東京都生まれ
2003年 慶應義塾大学法学部政治学科 卒業
2007年 東京藝術大学美術学部油画科 卒業
2009年 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻 修了
2009年 しづはら農園設立 茨城県水戸市にて就農

個展
2008年 「さよならと東京」ギャラリー58(東京)

グループ展
2004年 「久米桂一郎賞受賞展」 東京藝術大学(東京)
2005年 「根津二丁目川上アパート二〇一」 (東京)
2006年 「わたらせ渓谷鐡道アートプロジェクト」 渡良瀬渓谷鐡道沿線各地(栃木県)
2007年 「WATARASE Art Project 2007」 渡良瀬渓谷鐡道沿線各地(栃木県)
2008年 「ワタラセアートプロジェクト 2008」 渡良瀬渓谷鐡道沿線各地(栃木県)

その他
2004年 「アーツシャワー2004舞台美術公募展」 最優秀作品展示 新国立劇場
2003~2006年 「ダンス白州」及び関連公演舞台スタッフ、山梨県、静岡県、東京新国立劇場ほか
2008年 WAP2008「鐵道舞踏 ハナノハラハラ」共同企画制作・演出

※全文提供: ギャラリー58


会期: 2010年7月26日(月)-2010年8月7日(土)

最終更新 2010年 7月 26日
 

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