作家コメント
“お母さん” は、やわらかくて安心できて温かくて愛おしい。
でも “お母さん” は人では無く空に浮かぶ雲のようで、掴めないし近づいたら違うものになる。
地上にいる以上 “お母さん” に依存している気がする。だとしたら自立とは雲を突き破って宇宙から地球を見るような感覚なのだろうか。

“お母さん” と “娘” の関係はSMプレイに似ているように思う。役になりきって求め合って与え合う欠かせない存在のような。
どちらがSでどちらがMか、表裏一体でどちらとも言えない依存関係のような。

母さんはお腹いっぱいにしてくれる。幸せ。それでもまだまだお料理は出て来て苦しくなる。
その場所から前へ進もうとする。進んだつもりでもその場所はまた私の前にあって、そこから離れられない。
恋人に友人に相手が変わっても気がついたら、お母さんとしてきたような関係を求めたり与えたりを繰り返している気がする。
私はその愛情表現しか知らない。
でもその愛情と呼んでいるものは、無くてはならない私の生きる源で、また制作することも私の愛情表現の一つなのではないかと思う。

略歴
1979　京都府生まれ
2000　京都芸術短期大学染織テキスタイルクラス卒業
2002　成安造形大学ファイバーアートクラス卒業
2004　成安造形大学立体造形研究生修了

個展
2002　Window Gallery Oct（京都）
2005　AOAO天窓ギャラリー（京都）
2008　reply to mothering（成安造形大学 ギャラリーアートサイト・滋賀）
2009　Oギャラリーeyes（大阪）

グループ展
2001　FIBER ART EXHIBITION（Window Gallery Oct・京都）
2001　OPPAI ART LAB πr事情展“おっぱいキッズサミット”企画展示（ワコール本社ビル・京都）
2001　ART ENSEMBLE（大阪ビジネスパーク・大阪）
2002　Wool in Wool 2002（小岩井牧場・岩手）、主張テン（Gallery ARTISLONG・京都）
2003　MESSAGE IN TEXTILE（Gallery maronie・京都）、AQUART2003（西ノ島・島根）
2004　MESSAGE IN TEXTILE（Gallery maronie・京都）、AQUART2004（西ノ島・島根）
2005　MESSAGE IN TEXTILE（Gallery maronie・京都）
2006　京都美術工芸新鋭選抜展（京都文化博物館・京都）、MESSAGE IN TEXTILE（Gallery maronie・京都）
2007　AQUART2007 in AMAMI ISLAND（奄美大島・鹿児島）

※全文提供：　Oギャラリーeyes

会期：　2010年5月31日－2010年6月5日