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café discasso
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2009年 12月 08日

この「カフェ」では、アジア、戦争、エデュケーション、写真、アーカイヴ、世界についてディスカッションが行われている。私たちは、それぞれが好きなディスカッションを眺め、聞けばよい。 熱を帯びたディスカッションはどれも聴き応えがあるが、ビデオに写る越後妻有の風景、北川フラム氏のタバコを吸いながら話す身振りなど、これまでのディスカッション記録映像とは異なる夏の空気や越後妻有の自然、ディスカッション参加者間に漂う空気が伝わってくる。もしかするとディスカッションの映像記録とは、討議された内容とともに、その場の空気を伝えることも重要なのかもしれない。それは、作家がどこで制作をするかを選ぶのと同じように、ディスカッションをする人々もまた、どこでディスカッションをするかによって、場の影響が少なからずあるのではないか。 補足説明をすれば、今展は越後妻有アートトリエンナーレ2009に杉田敦+art & river bankとして出品した「critics coast(批評家の海岸)」の会期中週末に行われた5回のディスカッションを映像としてまとめ、展示・上映する東京凱旋展である。越後妻有で展示されていたビデオ・アーカイヴ作品「dictionary」は出品していないのでご注意を。会期最終日12月12日(土)には、第6回目のディスカッションも行われる。越後妻有は遠くて行けなかった人は、今度はカフェの末席に身を置き、その「空気」を形作る1人としてディスカッションに参加してほしい。

最終更新 2010年 5月 31日
 

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