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メアリー・ブレア 展
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2009年 10月 02日

もし、現代美術を好んで見るあなたが、本展をテレビ局が主催する家族向けないしデート向きのディズニーアニメの展覧会だから敬遠して見ないとしたら、それは大きな間違いである。 なぜなら本展は、水彩画、アニメーション、絵本、デザイン、壁画、テーマパークのコンセプトワークまで多岐に渡って躍動感ある世界観を創造し続けたメアリー・ブレアの展覧会であり、現代美術展以上に充実した内容で私たち観客に驚きと喜びを与えてくれる展覧会だからである。 総点数500点以上に上る本展の中で、特に目を奪われるのは1階展示室の絵本の挿絵、広告デザイン、「イッツ・ア・スモールワールド」の壁画、デザインワークであろう。カラリストたるメアリー・ブレアの豊饒な色彩、一瞥するだけで温もりが伝わるようなキャラクター造形は、時を経ても古びず、むしろ現代においてこそ見られるべき作品である。 また、日本ではメアリー・ブレアの名はほとんど無名であるにも関わらず異例の回顧展が実現したことを高く評価したい。

最終更新 2010年 7月 02日
 

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