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阪本トクロウ 展
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 7月 10日

日常風景を巧みな構図で描く阪本トクロウ初の銅版画展。筆跡の希薄な阪本のアクリルペインティングとは対照的に、ニードルの痕跡があらわな画面は新鮮である。とりわけ興味深いのは、大きな空間の取り方が特徴的な、湖畔を白鳥のボートが進む作品≪山水≫(2009年)。同名の「VOCA 2008」(上野の森美術館)出品作品を元としつつも、水墨を想起させる質感はアクリルには見出せず、より「山水」の名がふさわしいと感じた。阪本のペインティングはあたかも時が止まっているかのような様相を呈するのが常だが、銅版画はその時間がゆっくりだが動いているようだ。

最終更新 2015年 11月 18日
 

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