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ネオテニー・ジャパン-高橋コレクション
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 7月 10日

精神科医・高橋龍太郎氏によって収集され、鹿児島、札幌と巡回し今上野に展示されている作品が、90年代から現在にかけての日本の現代美術のひとつの様相をあらわし、そのコレクションの規模の大きさ、重要さが特筆すべきものである点を否定はしない。しかし言うまでもなく、幼形成熟を意味する「ネオテニー」がそれらの作品に当てはまるとしても、その言葉は日本の現代美術すべてに適合する概念ではない。そして、ここに展示されている作品を取り扱っているごく一部のギャラリー以外にもギャラリーはあり、コレクターは存在し、作家は作品を作っていることを忘れてはいけない。批評的眼差しを持たないかぎり、本展はある一つの価値観の無思慮な賛美で終わるだろう。

最終更新 2015年 11月 03日
 

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