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展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 22日

建畠覚造 《ORGAN》  1962(昭和37)年|セメント・石|高95.0センチ 画像提供:和歌山県立近代美術館

2010(平成22)年、和歌山県立近代美術館は開館40周年を迎えます。和歌山城内の県立美術館を前身とし、1970(昭和45)年11月に和歌山県立近代美術館として再出発した本館は、1994(平成5)年に現在の建物に移り、今日まで和歌山ゆかりの作家作品を中心に据えた活動を続けて参りました。美術館活動の根幹ともいえる収蔵作品は一万点近くとなり、その活動は広く国内外で知られています。 本年は40周年を迎えるにあたり、所蔵作品を中心として、その魅力をお伝えする展覧会を3部構成で開催する予定です。第1部では、彫刻作品を中心にご紹介します。
和歌山ゆかりの作家には、二組の彫刻家父子がいます。明治から大正、昭和と日本のアカデミックな彫刻を体現した建畠大夢(1880−1942)と、その子息であり、戦後の抽象彫刻の旗手であった覚造(1919−2006)。もう一組は、フランスでブールデルやマイヨールに教えを受け、その作風を日本に伝えた保田龍門(1892−1965)と、その子息であり、イタリアで暮らしたのち帰国し、清新で硬質な作風で知られる春彦(1930− )。
龍門は、県立美術館時代の1969(昭和34)年と、現在の建物の開館記念展として1994(平成5)年に展覧会を開きました。大夢は、1970(昭和45)年に近代美術館が出発して初めての企画展として紹介しています。覚造は、1982(昭和57)年に個展を開いたほか、没後すぐに所蔵品約70点による追悼展示を行っています。そして、春彦は1995(平成7)年に、当館を含め全国4会場を巡回する大規模な展覧会を開いています。
このような活動は、たとえば大夢の代表作で戦禍をまぬがれた1932(昭和7)年の《感に打たれた女》や、龍門のヨーロッパ留学の集大成といえる1925(大正14)年の《少女》などの収蔵に結びつきました。また、覚造と春彦の作品は、デッサンなどを含めると、それぞれ数百点を数えます。
今回の展覧会では、これら4作家を軸に収集をすすめてきた当館の彫刻コレクションに、個人蔵の秀作を加え、近代化が推し進められた時代に日本の彫刻家が範としたフランスの三巨匠(ロダン、ブールデル、マイヨール)の作品から、戦後のさまざまな素材と表現による作品までを一堂に展示することによって、彫刻の魅力をお伝えしようとするものです。

※全文提供: 和歌山県立近代美術館


会期: 2010年4月25日-2010年9月25日

最終更新 2010年 4月 25日
 

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