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八木貴史:バーミリオン
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 14日

《スカイブルー》 2009年 色鉛筆、樹脂|17 x 6 x 6 cm 画像提供:メグミオギタギャラリー

1982年生まれの八木貴史は、2009年に武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業、現在同大学院造形芸術研究科彫刻コースに在籍中です。2009年、大学卒業制作の「RAINBOW FEATURE」では素材の異なる3つの作品《インジェクターケース》、《スタンプ》、《スカイブルー》を並べて展示しました。《スカイブルー》で色鉛筆を材料に選択したことがきっかけとなり、色鉛筆を素材とするシリーズの作品の制作を開始しました。 八木は色鉛筆を扱う際、たとえば木を用いるのと同じ感覚で作品を生み出します。まず、色鉛筆を樹脂で固めることで素材として純化させます。「原木」とも言うべき固まりを削ると色とりどりの芯が顔を出します。制作の過程で不意に現れる色や模様に着目して以来、様々な表情を見せる色鉛筆による作品の制作を続けてきました。
「ART MEETS ARCHTECTURE COMPITITION 2009」では高さ3mを超える大作《天上の虹》で最優秀賞を受賞、同年12月から本年1月にYUKA CONTEMPORARYで開催されたグループ展「discollage -ものの組み合わせには何かルールがありますか。」で衆目の的となりました。
初個展となる本展では、シャンデリアをモチーフとした新作《バーミリオン》を発表します。「バーミリオン(vermillion)」は朱色の意味です。出発点となった作品《スカイブルー》と同様、素材のうちの一色をメーンとする作品となります。
人工・天然問わず多種多様な素材、さらにそこから作られる数限りないモノが比較的容易に手に入るようになった現在、作家の扱う素材の選択肢は無数に存在すると言えます。そのなかで八木は、色鉛筆という素材から生まれる純朴な美を見出しました。まさに色とりどりの表情を追究する八木の研ぎ澄まされた感性と、確固たる存在感と完成度の高さを併せ持つ作品をどうぞ間近でご鑑賞下さい。
※全文提供: メグミオギタギャラリー

最終更新 2010年 6月 10日
 

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