| EN |

出てこい!藤原由葵
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 22日

《寿星女王》(ことぶきせいじょおう)2010年 油彩、キャンバス|162×130.3cm 画像提供:YOKOI FINE ART copy right(c) Yuki FUJIWARA

鍛え上がられたデッサン力と技量+狂気さえもはらんでいる独特の感性を持つ画家、藤原由葵。
描くことへの執着を感じさせる作品に畏怖と脅威を覚えますが、ところどころにちりばめられたユーモアも彼女の特質。見るたびに発見があります。
昨年の東京コンテンポラリーアートフェア(2009年11月東京美術倶楽部)では過去の作品を披露しその存在感を示しました。 この度新作4点によるYOKOI FINE ART念願の初個展を開催します。新作は高齢化社会における介護問題、社会問題に着眼しています。超高齢化社会到来前に老人パワーが炸裂します!
藤原由葵の「今」をこの機会にぜひご高覧ください。

世代後退の様子、老いた心と体の介護。やっぱり人間に生まれたからにはどうやら、夢を心に持たないと死んでしまうらしい。金だけで生かす命に、若人は自ら、老人は囲む他人が価値や意味を定める。でも命に夢が伴っている場合、都合が変わってくる。どんなに世間でどうでもいい存在に思えても、本人が夢さえ思い続けている間は、どうにか生きられるのが人生らしい。

長生きしたいですか?私は長寿に魅力をあまり感じない。私は過去の半生に反省しながら、残る未来の半生を想定する。生かされて、感じさせてもらった今まで。今後は自ら感じて、生きなければならない。迷いなく生きるみたいな自力は、人間の愛で育てた夢から齎される。

世代のズレ、楽しんでますか?私はいまのところズレもボケも楽しんでます。gapはモテて、generation gapも現世もてはやされ、年の差なんて関係ない。お互い敬って育んでます。そうでなければ世代交代、それは老いた人に代わって若い人が後を継ぐのが元来でしょうが、逆になってて、老人は狩や戦に出て、若人はもてあますばかり。豊富な富と、経験と知識が漲る心身を持つ老いた勝者群。守らず挑め!蘇れ!受けて立て~!へなちょこ講釈な若き敗者群よ。

ということで、「寿星大王」には好好爺な御爺様を描いております。男のロマンを出力してます。「寿星女王」には婆娑羅な御婆様を描いております。女のホープを入力してます。
—藤原由葵 新作「寿星大王」、「寿星女王」解説文

藤原由葵/Yuki Fujiwara
1978 静岡県生まれ
2006 東京藝術大学大学院博士後期課程絵画専攻油画研究領域修了 博士美術学位修得
2008 日本美術家連盟会員
  個展:
2006 「藤原由葵展」(佐藤美術館/東京)
2008.4月~2009.3月 「一つのものにたとえて(立体作品ディスプレイ)」(静岡銀行呉服町支店ユーフォニアショーウィンドウ/静岡)
2010 「藤原由葵、静岡で個展。」(しずぎんギャラリー四季/静岡)、「出てこい!藤原由葵」(YOKOI FINE ART/東京)
  グループ展:
1999 「富嶽ビエンナーレ展(第14 回~第18回)」(静岡県立美術館/静岡)[2001,2003,2005,2007]
2002 「第4回 はままつ全国絵画公募展」(浜松市美術館/静岡)、「絹谷幸二研究室展」(新宿アートギャラリーアンファン/東京)[2003,2005]
2005 「第13回 奨学生美術展」(佐藤美術館/東京)、「Reflex 黄金背景テンペラ模写と現代における展開・構築」(東京藝術大学大学美術館陳列館/東京)
2007 「収蔵品展」(佐藤美術館/東京)、「こころめてん」(しずぎんギャラリー四季/静岡)
2008 「VOCA展 2008 - 新しい平面の作家たち」(上野の森美術館/東京)、「トンちゃんアート展ハコビでBOO!」(北海道立函館美術館/北海道)
2009 「美術家連盟新会員奨励展」(美術家連盟画廊 [JAA GALLERY]/東京)、「ART ARETE グループ展」(しずぎんギャラリー四季/静岡)、「沈黙が誘う、饒舌に惑う」(ギャラリーなつかb.p/東京)、東京コンテンポラリーアートフェア2009(東京美術倶楽部/東京)
2010 第29回損保ジャパン美術財団 選抜奨励展(損保ジャパン東郷青児美術館/東京)
  受賞:
1997/2001 東京藝術大学 久米桂一郎奨学基金 / O氏記念賞
2003 第16回 富嶽ビエンナーレ展大賞(静岡)
2005 第17回 富嶽ビエンナーレ展準大賞(静岡)
2007 静岡県文化奨励賞受賞(静岡)
  パブリック・コレクション:
2003 静岡新聞社、2006 佐藤美術館、2008 静岡県文化課
  ※全文提供: YOKOI FINE ART

最終更新 2010年 5月 11日
 

関連情報


| EN |