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山口牧子:時をつむぐ鳥
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2010年 4月 06日

《Bird spinning a moment》2010年 | 120.3×180.5cm | 顔料・蜜蝋・綿布・キャンバス | 画像提供:ギャラリー惺SATORU copyright(c) Makiko YAMAGUCHI

My Recent Works
ガストンバシュラールの「空間の詩学」「火の詩学」を読み、興味をもったのがきっかけで、再生のシンボルで生命力を象徴するフェニックスの詩の断片をもとに絵画制作しています。「空間の詩学」「火の詩学」は数名の作家のそれぞれのフェニックスの詩がのっています。フィニックスの話は神話ですが、この鳥のような存在を現代の中でも感じられるよう思いをこめて描いています。

2007、2008年に文化庁海外研修で滞在したイギリスには公園やいたるところに鳥がいて、毎日の生活の中で身近に感じながら制作できるモチーフでした。風、ヒカリ、音など目に見えないものや、精神的な世界などを抽象的に表現することが以前のテーマでしたが、それに加えて何か物の存在感を絵の中に入れたい時にむかえた留学で、立体制作、ドローイング、ムービー制作を身につけながら取り組み始めたテーマです。現在もひきつづき制作しています。

色彩絵画では、水性絵の具のにじみやぼかしを最大限にいかしてダイナミックに描くことを心がけています。綿布に水を多く含んだ顔料を染み込ませた上に、顔料、ワックスなどで描きます。予想していた画面構成と同時に、モチーフと背後との関係や境界にできる現象など、まさにその時に現実に画面上に起きている微妙な雰囲気をインプロヴィゼーション的に取り入れて仕上げます。色彩と水との関係で予想以上に輝きが現れる時は歓びの瞬間です。ドローイングでは、ワイヤーで空間や鳥の巣などのイメージをかたちにし、それをインクや水彩絵の具で紙に描き奥行き感のある構成を模索しています。線と有機的な鳥のけはいを画面上で対峙させることで空間と色彩によるあらたな世界を作り出せることを願っています。
-山口牧子

略歴
1986 女子美術大学芸術学部絵画科日本画専攻卒業
2007 文化庁新進芸術家海外研修員、イギリス
2008 University for the Creative Arts、 グラフィックデザイン&コミュニケーション 修士課程終了
Website: http://makikoart.com/
個展 :
1988 熊谷守一美術館  東京 ‘91  
1991 ギャラリー福山  東京 ’93,’95  
1997 ギャラリー山口  東京 ’99,’01,’04,’06 
2000 原宿ギャラリー  東京 
2002 Gallery惺SATORU  東京 ’03,’05 
2007 白銅革是画廊  東京  
グループ展 :
1989 スペイン美術賞展 カイサ デ バルセロナ スペイン
1999 沓沢貴子/山口牧子展 ギャラリーm  東京
2003 篠原佳尾/山口牧子/三沢ふみ展 ギャラリー福山 東京、私の風景 Art Space kimura ASK? 東京
2004 ハルトナリ展 ギャラリー山口 東京、日経日本画大賞展 ニューオータニ美術館 東京、第8回資生堂ADSP入選 東京
パブリックコレクション:  子供の虹情報研修センター 神奈川

※全文提供: ギャラリー惺SATORU

最終更新 2010年 4月 03日
 

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