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中村ケンゴ:自分以外
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 07日

出展作品(部分)「: 自分以外」 2010年 130.3×162cm、和紙に岩絵具、顔料 画像提供:メグミオギタギャラリー copy right(c) Kengo NAKAMURA

中村ケンゴは1969年に生まれ、多摩美術大学で日本画を学んだ後、1995年に同大学院を修了しました。 中村は、マンガの吹き出しやキャラクターのシルエット、ワンルームマンションの間取り図、メールの返信を意味する”Re:”など、現代社会に生きる私たちにとって身近なメディアからのイメージに視点を当てて、絵画作品の制作を続けています。 それらのモチーフから、ポップカルチャーからの影響の指摘を受けることも多くありますが、最近の流行であるマンガやアニメの影響の延長線上にある具象絵画とは一線を画しています。 中村の作品は、そもそも美術とは絵画とは何かという歴史とその概念を強く意識しながらも、今を生きる作家自身の現実を鋭く抽象化した、コンセプチュアルなものです。また日本画の技法で描かれていることも作品を特徴づけている要素のひとつといえるでしょう。近年では、アイデアをストレートに視覚化していく表現を超えて、より純粋でフォーマルな絵画表現への指向を強めています。 今展では、2000年より制作し続けられている「自分以外」シリーズの新しい展開を中心に発表いたします。「自分以外」シリーズは、装飾的なイメージやオールオーバーな画面の抽象表現主義的な絵画を彷彿とさせますが、近づいてよく見てみると手塚治虫の漫画から抜き出された名も無い脇役のキャラクターのシルエットで構成されていることがわかります。最新のシリーズではシルエットが分断された線へと変化し、具象と抽象、混沌と秩序、日本と西洋といった両極を内包する複雑なイメージを提示しています。 今回は「自分以外」のシリーズの他にも、東京に実在するワンルームマンションの間取り図を元に描かれた「COMPOSITION TOKYO」、デジタル時代のコミュニケーションを彷彿とさせる「Re:」、台詞のない吹き出しが文様のようにモチーフをくり抜いていく「SPEECH BALLOONS」など、現在も展開しつづけているシリーズの新作も出品いたします。 中村ケンゴ個展「自分以外」をどうぞご期待下さい。 ※全文提供: メグミオギタギャラリー

最終更新 2010年 5月 11日
 

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