三輪恭子は1982年宮崎県生まれ。2007年福岡教育大学大学院教育学研究科美術教育専攻修了。現在、福岡にあるアートスペース「共同アトリエ・3号倉庫」http://www.3gosoko.ne.jp/のメンバーとして制作をおこなっています。 三輪は、私たちの目に映る、遠く触ることができない「風景」をたぐりよせ、新たな“存在感”を与える作品を発表しています。昨年の個展では、白いペンキと8ミリ映像を用いて、「映像」をすくい取ったり攪拌したり、不可侵である映像に触れ、交わることができる作品を用いたインスタレーションを発表しました。 今回の個展では、照明を落とした展示空間に、窓の外にある銀座のリアルタイムの「風景」を取り込み、たくさんの凸レンズなどを用いて操作し、触れることのできない遠くの景色を、物質的存在として出現させる展示をおこないます。

【作家コメント】
いつのまにか、記憶だけではなく、今この場で見えている景色すらも、
映画のように現実離れして感じるようになっていました。
実感を伴った景色とは、どこに存在するのでしょうか。
作品によって、目の前の「風景」と本当の「現実」の間に不思議なゆらぎを起こす事で、
イメージと物質のあいだに立つ私の存在について、確認出来ればと思います。