| EN |

off-Nibroll:Double START
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 2月 22日

画像提供:深川東京モダン館

2004年 森美術館(東京)六本木クロッシングでのデビュー以来、各国で映像や、写真メディアで身体の在り方を表現し続ける、振付・矢内原美邦と映像・高橋啓祐のユニット「off-Nibroll」(オフニブロール)の東京での初めての個展です。 身体表現の衝撃を写真で。
「身体のある風景」

2009年 大原美術館(岡山県倉敷市)での滞在制作期間中に、時間の経過と、空間に存在する身体の多様性を写真作品「SESSYOKU接触」として発表。写真としてアウトプットすることで、身体がとどまる空間と時間について想起させるシリーズです。 美術館に所蔵されていた宗教画のシンメトリー(対称性)や世界観に触発されたoff-Nibrollは、日常、わたしたちが誰でも見ることが出来る様々な場所で、「空間のなかに存在している身体」身体が多様なポーズをとり空間の中に止まる。その瞬間を写真作品で伝えることを考えました。

『時間の流れのなかに身体が在る。
空間のなかで身体の在り方は、多様である。
身体の瞬間を記録した写真を通じて見ている人に気づきを与えることが出来ればいい』(矢内原)

わたしたちはチョコレートの上に生きている。
「Chocolate」

戦争当時の「過去」の時間を生きてきた人たちの命、その上に生きている「現在」の自分、そして亡くなられた方の命の重さについて実感し、考える機会になればと思いチョコレートを踏んでもらうことにしました。 会場の床にばらまかれたチョコレートは一つ一つを一人の命に見立てたものですが、そのチョコレートを実際に踏むことで命の重さを実感していただけたらと思います。踏んでいただくと、とても軽くてもろい筈の紙粘土で出来たチョコレートが意外に強いことに気がつきます。 会期中に、会場に置かれたチョコレート色に塗られたハートの粘土は、世界中の戦争で亡くなられた人の数まで増殖をしていく予定です。戦争で亡くなった人の一人の命に見立てた粘土を一つ一つ作り続けることは、もちろん一つ一つ手で作っていくのではとても追いつきません。ただ、戦争で亡くなられた人は世界中で何千万人もいる現実について考えていくこと。そして、手で一つ一つチョコレートを作る行為が、実際に亡くなられた人の数になかなか追いつていかない状況について考え、チョコレートを踏み、新たに自分の手で作ることで命の重さについて感じていただければと思います。「チョコレート」を作る行為は、約10万人もの命が失われた1945年3月10日の東京大空襲で大きな被害を受けた深川地区からスタートし、世界中の戦争があった各地に巡回してゆく予定です。各地で、命に見立てたチョコレートをたくさん作り続けていくことで、世界中で命の重さを実感し命の意義について思いを巡らせてもらえればと思います。 会期中に、会場に置かれた粘土のチョコレートは観覧者の方に作ってもらうことで増えていきます。増殖する、たくさんのチョコレートの上で、わたしたちが生きている空間と時間の意味を考え、チョコレート=命を作ることで現在のみならず未来へも繋がる展示となっております。 ※全文提供: 深川東京モダン館

最終更新 2010年 2月 11日
 

関連情報


| EN |