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長尾圭:みずにもたれて
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 2月 11日

《もたれていても》2009年 パネル、麻キャンバスに油彩、水彩、木炭、鉛筆|1620mm×1120mm|画像提供:長尾圭 copy right(c) Kei NAGAO

 

もたれて
まのび
きがちる
とけつつ
ゆいつつ
ゆびさき
ものほし
ほつれて
のぞく
すみっこ
あみめに
かくれる
つもりつつ
もぐる
そこなし
つのかくし
めかくし
すきまを
からまり
からげる
すれちがう
よこぎる
すりぬけて
めでて
もやう
つまさきだち
とりとめなく

 

絵を描いていたときに何気なく書きとめた言葉は、絵を説明するでもなく、全く関係ないものでもなく。

 

絵があり、その言葉があり、お互いが、寄り添うように、
同じく、絵を眺めた時、絵と視線が、寄り添えたなら。

作家略歴
1969年 大阪生まれ

個展:
2008 Oギャラリー(東京)
2008 Calo Gallery(大阪)
2008 オソブランコ(大阪)
2009 ギャラリーDen(大阪)
2010 OギャラリーUP.S (東京)
グループ展:
1998 「光脈の湧出」 Oギャラリー(東京)
2001 「congress hall」セルフソウアート ギャラリー(大阪)
2003 「呼吸-breath-」 ギャラリー白 (大阪)
2004 「モノクロームの実践」ギャラリーDen (大阪)
2005 「紡ぐもの 織るもの」 オソブランコ (大阪)
2006 「汽水域」 Oギャラリー(東京)


会期: 2010年2月15日(月)~2月21日(日)
会場: Oギャラリー

最終更新 2010年 2月 15日
 

編集部ノート    執筆:平田剛志


たゆたうようにキャンヴァスに描かれた線を追う。線は擦れ、途切れ、曲がり、伸び、視線はキャンヴァスとの往復運動に身を預ける、もたれる。もちろん「もたれる」とは、キャンヴァスに倒れ込むことではない。浮くでも、沈むでもなく、そこにある柔らかく暖かい空間にもたれる時間のことである。 だが、絵画にとって支持体に絵の具を置く、描くということは、支持体に絵の具を「もたれさせる」ことなのかもしれない。木炭や絵の具が支持体に浸透し、定着していく時間とは、絵画と私たちとの「もちつもたれあい」の時間だと。


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