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松下和歌子:春分点・ヒルコ
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 2月 08日

《乾闥婆城のよる》2004年 パネルに和紙、アクリル、胡粉、墨|64.5㎝×158㎝ 画像提供:深川ラボ copy right(c) Wakako MATSUSHITA

松下和歌子は、早い時期に日本画をモダンにリバイバルさせた若手画家の一人です。深川ラボでは松下の代表作に新作数点を加えた展覧会を開催します。 松下和歌子の世界 〜怪奇と諧謔の幻想譚
松下和歌子の作品には古さと新しさの奇妙な共存がある。てらいもなく大和絵や曾我蕭白などの古典的な絵のフォーマットを用いていながら、見た事のない画風が確立されている。 松下との作風の共通点が指摘される町田久美が広く知られるのは2004年頃で(松下も町田久美の存在を2006年の卒業後に知った)町田久美や山本太郎らと同時代的な画家と位置づける事ができる。 松下は曾我蕭白、小川芋銭などの異形の画家たちの影響とともに、水木しげるやガロなどの漫画やサブカルチャー、博物学の影響を強く受けている。松下は自身のサブカルチャー的な要素を受け入れるのに時間を要し、長い時間の試行錯誤の末、キャラクター的な妖怪、諧謔の効いた設定などの現在のスタイルに至った。松下の絵には得体の知れない不気味さが嗤いとともに共存し、それが固有のダークネスを見せている。
(美術作家/深川ラボディレクター 白濱雅也) ※全文提供: 深川ラボ

最終更新 2010年 2月 05日
 

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