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ビル・ウォルフ:Flock
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 2月 08日

画像提供:gallery COEXIST

本個展は2009年4月に行なわれたコエグジストセレクト美大展に出展していた彫刻家 ビル・ウォルフの新作を中心とした展示となっております。 新作である鶴のような生命体を数十体展示し、現代社会が抱えている個人と社会との問題を表現いたします。数十体の彫刻が新しい空間体験へと導きます。是非ご堪能ください。

本作品は群集内における個人行動のメタファーである。

現代には無類の自由さがあるが、同時に社会的な心理的圧力も存在している。電子的社会ネットワークとグローバルな文化の出現により、私たちは個人単位で自由にコミュニティを選ぶことが可能になった。私達の行動は本来個人的なものであるが、そこには常に群集「Flock」が存在する。

そして、今回の作品は私のグループにおける個人的な体験への反応である。日本あるいはアジアの文化とアメリカや西洋の文化の違いについて比較する時、日本ではグループのアイデンティティーに焦点があたっており、西洋では個人のアイデンティティーがより重要視されていると言われる。これはある程度真実ではあるが、現実はもっと複雑だと私は考える。

彫刻はきちんとした答えを提示することなく複雑な問題を表現するのに理想的な手段である。願わくはこの柔らかくダイナミックな作品が人の心をつかんで放さない謎を表現するものであってほしい。私の狙いは、これらのオブジェクトの機能が団結したグループのメンバーであると同時に個であり独特な彫刻でもあることだ。

これらの彫刻が鶴の形をベースにしたものであることは明らかであるが、事実に即しただけの表現を超え、木と銅の光と色に戯れながらの動きとバランスに私は興味を抱いている。我々人間と同じように、彼らは二本の足で立ち、将来に目を向け、彼ら自身の力で前に進もうとしている。彼らを取り巻くものと同じように。
-Bill Wolf

作家略歴:http://coexist-art.com/bill_wolff.html#works
作家HP:http://billwolff.blogspot.com/ ※全文提供: gallery COEXIST

最終更新 2010年 2月 23日
 

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