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渡辺信子:form and form
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2010年 1月 18日

《OLive green and Olive green stripes》 画像提供:アートフロントギャラリー

この度アートフロントグラフィックスでは、木枠に布を巻き込んでそれ自体をレリーフとして作品化する独自の表現方法を追求する作家、渡辺信子の作品をご紹介いたします。

彼女の作品の特徴は、巻き込まれた布が描きだす美しいカーブや窪み、そして豊かな色彩とユニークなフォルムのコンビネーションにあり、見る人は彼女の作り出す楽しそうでポップな世界に惹きこまれることでしょう。 1972 年の大阪での個展を皮切りに、あくまでも布にこだわったインスタレーション作品を提示していた渡辺ですが、最近の作風は、木枠に生成りの布や他の鮮やかな色調(時には水玉やストライプ)の布を組み合わせながら制作するというスタイルです。長年の創作活動から、布の特質を知り尽くし、また布による表現の可能性を試行錯誤し、絶えず挑戦し続けた結果辿り着いた、オリジナリティ溢れるユニークな制作スタイルであると言えます。 様々なものが削ぎ落とされたシンプルなスタイルへと、辿り着いた彼女の作品群を前に、鑑賞者は、彼女の色鮮やかな作品に視線を捕らわれますが、作品の窪みや膨らみを目で追ううちに、次第にアリスのワンダーランドに迷い込んで行くかのように、彼女の作品内部へと吸い込まれていくような、わくわくするような高揚感を覚えることでしょう。そうして見る者は、彼女が仕掛けたメロウな罠に落ちながらも、優しい余韻を楽しんでいることに気付くのではないでしょうか。

現在は大阪を拠点にしながらも、海外でもドイツを中心に韓国、フランスなど精力的に個展の開催やアートフェアへの参加など、幅広い活動を続けていますが、今回のアートフロントグラフィックスでの展示は、久々の東京での個展となります。また、今回の展示では、普段見ることのできない大型作品も多く展示しますので、ダイナミックな作品群をこの機会にぜひお楽しみ下さい。 今までアートフロントグラフィックにお越し頂いたことのある方も、この機会に是非、渡辺信子の演出する楽しい空間を体感しにいらして下さい。新たな発見をされることと思います。

全文提供: アートフロントギャラリー

最終更新 2010年 2月 02日
 

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