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Sticky Sloppy Lumpy
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2009年 12月 15日

Copyright Sticky Sloppy Lumpy

本展覧会は、現在東京芸大大学院および武蔵野美大大学院在籍中の作家6名によるグループ展です。「グループ展とは何か?」という問いから展覧会の新しい可能性を提案します。

会場では会期初日から最終日まで、メンバー6人がランダムに関わり現地で制作するシステムが展開され、行為やもの、環境に反応するメンバー6人による痕跡が積み重なったり、大きく改変されながら時間が進行し、毎日その内容が更新されてゆきます。

展覧会の模様はブログにも更新されます。

URL: http://sticky-sloppy-lumpy.blogspot.com

彼ら6 人はグループとしての関わりから、生まれるものに目を向けた。
展覧会タイトルである「Sticky Sloppy Lumpy」は生命の起源を表している。各自が必要な原子として存在することの確認からすべては動き始めた。
原子と原子が引き付け合い、結合し、分子となり、生命が立ち上がる。そしてDNA が形成され、正確に複製を行い、反復し、増殖する。
会場では行為やもの、環境に反応する6つの原子による痕跡が見られるはずである。
-蜷川千春

アーティスト: 有賀慎吾、上野恭史、奥田栄希、尾関諒、宮本智之、村山悟郎
テキスト: 蜷川千春、間瀬智彦

※全文提供: 主催アーティスト

最終更新 2009年 12月 09日
 

編集部ノート    執筆:小金沢智


有賀慎吾、上野恭史、奥田栄希、尾関諒、宮本智之、村山悟郎の若手作家六名によるグループ展。会場のTUNER GALLERYは絵具メーカーであるターナー色彩株式会社のギャラリーである。一階、三階のスペースを使用したこの展覧会は、三階では個々の作品をいわゆるグループ展らしく展示しているが、一階では一風変わった試みを行なっている。そこには個々の作品はなく、個々の「行為」の集積がある。 説明しよう。作家のその場での「行為」は、「エージェントカード」なるカードに基本的に規定されている。そこには一人の作家から別の作家に向けた「あなたはこれこれこうしなさい」という指示が書かれている。このルールを壁面に貼付けろとか、アイマスクをして壁に文字を書けとか、汚くなってきたから掃除しろとか、一つ一つはたわいもないことだ。指示を受けた作家はこれを受諾しても拒否しても構わない。そうして、会場の様子が日毎に作り替えられる。「行為」の集積があたかも「作品」として提示されるのである。複数の作家による偶然性のきわめて強い「公開制作」と言えるかもしれない。 指示が実行された場合、そのカードには実行された模様の写真が添付される。実行されなかった場合は写真が添付されない。このカードはポートフォリオのようにまとめられ会場に置かれているから、時間があったらこれもぜひ見て欲しい。そこには、今目の前にある空間がどのようなプロセスを経てできあがったか明かされている。ただ、目の前で行なわれているかもしれない「行為」をお見逃しなく。


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