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礒谷権太郎:闇の監視者
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 12月 01日

礒谷権太郎≪Black Looker No.1 (lenses/Look cut, conquer)≫ 2009年 | lenses, silicon, polyurethane, magazine, steel, wood, paint, H110xW46xD38cm | 画像提供:frantic gallery | copyright(c) Kentaro ISOTANI

フランティック クローズ アップ これは単純な地理的アイディアである。つまりfrantic galleryを物理的な場所で区切らず、「フランティック的な」視点と同意見を持つスペースでギャラリーの考え方を発表するというアイディアだ。blinc vaseで行われるフランティック作家の幾つかの代表的な作品の展示は、表参道で経験できるfrantic galleryへのクローズアップ(接近行為)である。 このアイディアは多くの学問分野にまたがる。つまり、アート愛好者とアートに馴染みのないオーディエンスとの間に関係を生むのだ。作家、デザイナー、コレクター、ファッションジャーナリスト、美術批評家、裏原宿の若者などの関係を向上させる。つまり、表参道でのショッピングの途中で出会うアートへのクローズアップである。 このアイディアは挑発的である。礒谷権太郎(泥、ポリウレタン、ゴミなどを使いながら、「ダメ男」、「アル中」、「パンク」というイメージを用いる作家だ)が上品な眼鏡ショップへ、つまり繊細な縁にはめ込まれた純透明なレンズを選びに訪れる優美なインテリが立ち寄る店へ押し入るような企画なのである。 また、このアイディアは皮肉的である。つまり、コンテンポラリーアートに対する無関心についての落胆を感じながら、メガネを使って、アートを文字どおりに拡大し、注意を引くというものである。そう、私たちは何としてでもアートに人目を引きたいのだ。

※全文提供: frantic gallery

最終更新 2009年 12月 18日
 

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