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アンドレ・ブッツァー:André Butzer
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2009年 11月 23日

画像提供:ヒロミヨシイ

アンドレ・ブッツァーは、世界的に注目される若手ペインターの一人であり、絵画の可能性の中心に位置している。ベルリンから突然変異のように現れたこの作家は、絵画表現の始源と終焉をともに体現しながら、不敵な笑みをうかべている。 他に類をみない破壊的な作家性が刻印された一連の作品を見てほしい。放埒に厚塗りされ隆起した絵具、特大のキャンパスに未就学児の絵日記を思わせる構図で、得体の知れない戯画化されたキャラクターを登場させながら、その一方で、あらゆる理論づけや批評を一笑に付すような、完全なる審美的自律性に貫かれた抽象表現をこともなく突きつけてくる。 ブッツァーの作法は、児戯をシミュレートするかのように奔放で野放図であるが、キャンバスのすみずみに固有の生理と感覚が行き渡り、荒々しいストロークの一つ一つにまで怜悧で確固とした審美的感性を漲らせるのは、ほとんど驚懼に値する所業だ。 日本で初の個展となる本展では、大小さまざまなペインティング6点とドローイングが展示される。絵画の終焉と新たな誕生を同時に告げる、この不世出のペインターの展覧会を、是非お見逃しのないようご期待下さい。 André Butzer
1973年シュトゥットガルト生まれ。ラングスドルフ在住。主な個展にニュンベルク美術館(ニュンベルク)、メトロ・ピクチャーズ(ニューヨーク)、ジオ・マルコーニ(ミラノ)、パトリック・ペインター(ロサンゼルス)、ギャラリー・マックス・ヘッツラー(ベルリン)など多数。主なグループ展に、ウィーン近代美術館(ウィーン)、ザルツブルク近代美術館(ザルツブルク)、ニーム現代アートセンター(ニーム)、ZKM(カールスルーエ)、ケスナー・ゲゼルシャフト(ハノーファー)、シュツットガルト州立美術館 (シュツットガルト)、ゲーツ・コレクション(ミュンヘン)、アートフォーラム(ベルリン) 、ヒロミヨシイ(東京)など多数。 ※全文提供: ヒロミヨシイ

最終更新 2009年 11月 28日
 

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