全ての色彩を飲み込んでまばゆい光を放つ白色。その中にじんわりと浮かび上がる浅い振幅の色のゆらめきは、心のクロマトグラフィーとでも呼ぶべきでしょうか。ゆったりとした、しかし正確なリズムを刻みながら繰り返し変奏される林信男の絵画に囲まれるとき、私たちは時間をかけて日々の心の動揺を鎮めていくのです。
ところで今回の作品では、静かな湖面にさざ波がたつように物質のざわめきが顔をのぞかせ、何かのイメージを生み出しそうな陰影と、これまでとは一味違う軽やかな動きも感じさせます。新しい風が吹いてきたようです。

全文提供：Gallery K

会期：2021年8月16日(月)　〜 2021年8月21日(土)
時間：11:30～18:30　土曜日～17:00
休日：日曜日
会場：Gallery K