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カール・ランダル:東京ポートレイト
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 11月 02日

画像提供:文京アート | copyright(c) Carl Randall

カール・ランダルは、 2006年に日本文部科学省より奨励を受け、以降東京藝術大学(油画専攻)に学んでいる。 作家は、東京の群像に触発され、現代社会に関連した問題を表現する為、さまざまな人物の顔をモチーフに作品を描いている。顔には多様な要素が集約され、またそこから多文化主義や格差社会、過剰人口などの問題点が発信され、浮き彫りとなっている。構築された作品は一見顔の集まりが一つの有機体のように表現されているが、更によく目を凝らすとそれぞれの個性というものがはっきりと見えてくる。表面的には立ち入ることの出来ない壁が、特殊な空間を作り出し傍観者はその外側に居続ける事で群集(権力や大きなグループ)の予測出来ない精神状態や集団的思想に恐怖を感じる。しかし、内側では多くの人々の無事と安全を示している一方、国や都市の境界線や孤立、同空間を占有しながらも交わる事のない心理状態を表現している。 作家は多種多様な顔から発信されるエネルギーを咀嚼し、個々の融合と断片化を計りながらその土地に根ざした作品制作を続けている。 今展では油彩画の他、作家による和紙に墨で描くライブペインティングも行います。

全文提供: 文京アート

最終更新 2009年 10月 31日
 

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