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片山博文:Exchangeable
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2009年 10月 28日

≪no.1035≫2009年|type C print |画像提供:TARO NASU copy right(c) Hirofumi KATAYAMA

片山がつくりだすのは「写真のニセモノ」だ。写真をPCに取り込み、ドロー系ソフトで写真をなぞりイメージをベクトルデータへと再構築することで写真の姿を借りた、コンピューターグラフィックスをつくりだす。 デビュー当初より制作してきた<Vectorscapes>シリーズでは駅やビルなどの無個性な建築内部空間を主なモチーフとしてきたが、今回の個展で取り扱うのは、9.11のアメリカ同時多発テロ事件である。 加速化する情報社会のなかで、この未曾有のテロ事件は、新聞、テレビ、インターネットなど、あらゆるメディアでそのイメージが流され、様々な仮説が憶測された。その全貌はいまだ明らかにされないままである。 片山は、この事件を元に制作されたノンフィクション映画(というジャンルもまた「事実」という名の「ニセモノ」といえるだろう)をモチーフとして、ベクトルデータに再構築されたイメージ世界を描き出す。 実際の事件と、その事件をめぐる人々の想像が生み出した幻影。フィクションとノンフィクションが二重、三重にもなった入れ子構造は人々の信じているリアリティーがまさに『Exchangeable』(交換可能)なものであるとしてその境界線を揺さぶり、曖昧性を暴き出す。 本個展にあわせて制作された大小あわせて約17点の作品を出品の予定。 ※全文提供: TARO NASU

最終更新 2009年 10月 30日
 

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