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大久保貴裕展 On Desiring-Machines
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2019年 7月 04日

出品作品イメージ(マケット)

    大久保貴裕(Okubo Takahiro)が現在取り組んでいる絵画制作は、かつてモダニズム絵画の最終的な到達点とみなされた「オールオーヴァー絵画(all-over painting)」には、実は新しい創造的な展開への可能性が潜んでいるのではないかという問題意識に基づいています。
    彼はオールオーヴァー絵画のどこまでも平滑な広がりを、組織化されていないが故に無限の発生の契機を孕む創造的な広がりとして捉えます。問題は、そこに潜在する異なるコンテクストを生み出す可能性に、いかにして働きかけるかです。
    今回の制作ではまず正六角形にオールオーヴァー絵画を描き、それを正三角形および二等辺三角形に分割し、それぞれのピースを三次元方向に広がるように新たに連結し直します。ここで重要なことは、最初に描かれた平面が、織物のように規則的な反復によってできているものではなく、いわばフェルトのように、一見均質でも、どこを取っても同じことが繰り返されてはいない、無限の変化の連なりであるということです。従って、それに対する働きかけが幾何学的分割と再構成いう規則的、分節的な行為であっても、結果として生み出される要素間の出会い、そして立体的な全体像は、変化と多様性に富んだ視覚体験をもたらすのです。

http://galleryk.la.coocan.jp

全文提供:Gallery K


会期:2019年7月8日(月) 〜 2019年7月13日(土)
時間:11:30~19:00 土曜日~17:00
休日:日曜日
会場:Gallery K

最終更新 2019年 7月 08日
 

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