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伊藤一洋:Evidence
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 10月 18日

≪Liquid Golden Baby no.35 - 21st Century Boy -≫2008年|ブロンズ|画像提供:hpgrp GALLERY 東京 copyright(c) Kazuhiro ITO

昨年当ギャラリーで発表した「The baby can dance, phantom cry」に見られるように、伊藤の作品は素材が持つ量塊感と、有機的な形が放つ生命感により圧倒的な存在=気配を漂わせます。彫刻家である伊藤が見ているのは個人的観念や時代性、または形や線の美しさだけではなく、本能的に嗅ぎ取る「向こう側の世界」の入り口です。彫刻を介して見る向こう側とは、「彼岸」という言葉で表せるでしょう。ニーチェはそれを善悪をも超越する、すなわちキリストの教えでさえも手の届かない高貴な所と言いました。仏教では煩悩に満ちたこちらの世界に対して、そこから解脱した悟りの世界として涅槃=極楽浄土と定めています。 伊藤は、様々な価値観に左右されない絶対的な存在としての彫刻を、朽ちること無く半永久的に存在し続けるブロンズに封じ込めています。

本展では、黒く佇み現在の人間を表すDear Blind Phantomシリーズ、未来に現れるであろう新種の生命体の象徴として黄金色に輝くまで磨かれたLiqud Golden Babyシリーズ、そして未知の存在、宇宙人として白銀色に輝く最新シリーズを発表致します。

芸術的彼岸のEvidence(証拠)として形を与えられた作品達をこの機会にぜひご高覧ください。

伊藤一洋 Kazuhiro Ito
1972年  福岡県生まれ
1997年  武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業 個展
2008年 「The baby can dance, phantom cry」 hpgrpギャラリー東京(東京)
2007年  「LIQUID GOLDEN BABIES」ギャルリー東京ユマニテ(東京)
2006年  「LIQUID GOLDEN BABY」to.ko.po.la(福岡)
2005年  「彫刻の本能 vol.2」 なびす画廊(東京)
2002年  なびす画廊(東京)
2000年  「焼かれ猿、立ち眩んで半歩」田中画廊(東京)
1999年  「焼かれ猿の顎」田中画廊(東京)

全文提供: hpgrp GALLERY 東京

最終更新 2009年 11月 27日
 

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