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入江一郎:ペタン師
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2018年 11月 22日

Ichiro Irie, Lolita, 2018

2009年に「サラ/ルーカス」として発表した、インポスター(Imposter:偽者、ペテン師の意味)シリーズの原点となる作品では、YBA世代の代表的な作家、サラ・ルーカスの彫刻や写真作品から引用していました。インポスターは、ポスターパテと呼ばれる事務用品を用いて制作され、現代美術や写真、映画や音楽など、入江が十代や二十代の頃に同世代の間で流行したものを二次元のイメージに変換し作品化しています。大人になる直前の時期こそ、その人物の人格を形づくる決定的瞬間だと入江はみなしています。もし誰かに「人生でもっともお気に入りの映画(あるいはバンド、作家など)は」と尋ねられたなら、その期間に体験したものの名前を答えるでしょう。東京に生まれ、しかし2歳のときに両親に連れられロサンゼルスに移住した入江は、欧米文化の洗礼を受けています。たとえば映画に登場するオブジェやシンボルを引用する際には、デイヴィッド・リンチ、アレハンドロ・ホドロフスキー、スパイク・リー、リドリー・スコット、スタンリー・キューブリックら五名の映画監督をお気に入りに選びます。彼らのポスターからのインポスター作品は、ただ映像作家の熱心なファンとして映るかもしれません。ところが、単にノスタルジックな気分を誘発する代わりに、入江はこうした映画の男性的で西欧中心的な物語観を見直す自己批判の機会と受け取っています。練りゴムをこねて平面にくっつけていく制作の過程でおこる相反する感情を、鑑賞者とともに高めあうことができましたら幸いです。
本展では、入江が制作した様々なインポスターシリーズの中から、映画、音楽、写真などを引用した作品を展示いたします。ポスターパテ芸術の頂点をお楽しみください。

入江 一郎
東京生まれ。2歳より両親に連れられロサンゼルスに移住。作家、キュレーター。アーティストランスペースJAUS主宰。キュレトリアルチームQiPOメンバー。カリフォルニア大学サンタバーバラ校を卒業し、クレアモント大学院修了。フルブライトフェローシップを受け、2002年から2007年までメキシコシティに滞在。コンテンポラリーアート専門のRiMマガジンを編集する。アーティストとしては国際的に発表し、ロサンゼルスではDENKギャラリーにて個展を、メキシコシティではYautepecで、東京ではeitoeikoで発表する。近年の参加展覧会に「めがねと旅する美術展」(開催中、青森県立美術館/島根県立石見美術館/静岡県立美術館)「Transpacific Borderlands」(パシフィック・スタンダード・タイム関連企画展、全米日系人博物館)「Revision Glocal Review」(CECUT、ティファナ)「Chockablockat」(UAM、ロングビーチ)「The Crystal Jungle」(Museo del Chopo、メキシコシティ/SNAFU、ネッカーオーデンヴァルド、ドイツ)など。 作品はLA Weekly、Visual Art Source、White Hot magazine、Hyperallergic、Art and Cake、Art Zealous、Arte Contextoなどで紹介されている。オックスナード・カレッジ講師、ライマン・アーツ講師、18th Street Arts Centerレジデンスアーティスト。

http://eitoeiko.com

全文提供:eitoeiko


会期:2018年11月24日(土) 〜 2018年12月22日(土)
時間:12pm-7pm
休日:日月

最終更新 2018年 12月 19日
 

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