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アキバタマビ21 第72回展覧会「セコンドハンド」
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2018年 10月 18日

セコンドハンド

【 展覧会テーマ/アーティストステイトメント 】

セコンドハンド は“secondhand”と記述し、主に「中古品」の意味として用いられる。“used”が「使ったもの」と直接的な意味であるのに対し、“secondhand”は「secondhand-information(受け売りの/また聞きの情報)」、「secondhand-smoking(受動喫煙)」など、一度人の手に渡っているといった間接的なニュアンスで用いられる。しかし一聞しただけでは、本来の意味である「中古品」ではなく「(ボクシングにおける)セコンドの手」や「ふたつめの手」といったような意味合いで誤読する可能性のある言葉である。
本企画展においてのセコンドハンドは「中古品」でも「また聞き」でもあるし、あるいは「ふたつめの手」でもある。例えば、ニューエラの金シールは本来サイズ表記のためのものだが、それを貼りっぱなしにして被るのがかっこいいといったような本来の意味とは転じた文脈でも機能している。それぞれの文脈で意味がすり替わっているのではなく、それぞれの意味がそれぞれの文脈の上で他の機能を失わないまま機能している。貼られたシールはサイズ表記をしていて、かつ本物である(あるいは、=悪さをしたことの)アピールをしながらファッションとしてのかっこよさも担保している、ということである。
水面下で機能している文脈を無視した結果、形骸化してはいるものの本来のそれとは別の文脈や異なる質感をまとっている、本企画展はそうしたセコンドハンド的な事象に焦点をあてる。



【 出品作家 】

○ 衛藤 隆世 Ryusei ETO
1993年 東京都生まれ
2018年 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科メディア芸術コース 中退

衛藤隆世はCGを表現手法として扱うアーティストです。近年ではCGに描画されたもの(対象)は本来の目的から解放されて機能が無化されるということを問題としています。しかし、描画されたものの形象の目的が美しくあることであった場合、美しいという機能は依然として備わってしまっています。そうした視点から今回はコカコーラクリアを題材に新作を制作します。対象をCGで描写するといった行為自体を提示することによって、その対象が存在しなければならなかった必然的な機能美をそのまま作品の美として接続させることを試みます。
https://c-g-c-g.tumblr.com


○小池 奈緒 Nao KOIKE
1994年 北海道生まれ
2016年 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科メディア芸術コース 卒業
2018年 多摩美術大学大学院美術研究科修士課程デザイン専攻情報デザイン研究領域 修了

小池奈緒は、テレビや雑誌などのメディアを通して触れるイメージとしての存在のリアリティーを問題に作品を制作してきました。好きなアイドルを目の前にした時の違和感をきっかけに、画面の内外あるいは2次元と3次元といった複数のメディアを往還する半透明な存在=アイドルについて考察し、そうした状況を組み立てることを試みてきました。最近ではフリー素材の犬の画像に注目し、ウェブ上に漂うイメージとしての存在になってしまった彼らにあるものを接続することでオリジナルとは別の個人情報を与えることを試みています。
https://www.koikenao.me


○西尾 佳那 Kana NISHIO
1994年 神奈川県生まれ
2016年 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻 卒業
現在 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻 在籍

西尾佳奈は、自身あるいは特定の物、人物のアイデンティティが状況に応じて変容する様子や、自身をコントロールし異なるアイデンティティに適応しようとする試みを通して、新たな思考の形成、無意識化での立場や状況の寄生などの人間心理について思考しています。今回の作品では、旧石器遺跡捏造事件のリサーチから、“嘘”によって形成されたパラダイムシフトを事件を追体験するような行為から視覚的に思考する試みを行ないます。
https://www.kananishio.com


○鷲尾 怜 Ray WASHIO
1995年 東京都生まれ
2018年 武蔵野美術大学造形学部映像学科 卒業
現在 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻 在籍

鷲尾怜は、相反する事象への興味があります。特に作品における物語性について考えており、実生活で感じる作品の不要性を克服することによって立ち上がる違和感をテーマとしています。作品毎に形態を変えながら、物語としての作品に作家としてどう対峙するかを問題としています。
http://raywashio.org



○wimp
1992年 滋賀県生まれ
2016年 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報デザインコース 卒業
2018年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻 修了

wimpは、ペイントをメインに立体、ビデオなど様々なメディアを通して、キャラクターの記号性や複数性を扱った作品を制作しています。wimpは「キャラクターは、記号によって同一性を保っているようにみせかけているが、その形は常に変容し、メディアに依存している状態であるゆらいだ存在である」と捉え、その「ゆらぎ」を増幅させることを試みてきました。このように、これまでのwimpの作品はキャラクターという存在自体の持つ身体的な特徴を注視して扱ってきましたが、今回の作品ではキャラクターが存在する舞台の具体性と抽象性にフォーカスを当てて制作します。
http://wimp423.org



【展覧会詳細】
「セコンドハンド」
会期:2018年10月28日(日)~12月2日(日)
開館時間:12:00~19:00(金・土は20:00 まで)、火曜休場


【イベント】
●オープニングパーティー 
10月28日(日)17:00~
●シンポジウム
11月10日(土)18:30~
ゲスト:港千尋 氏(写真家 / 映像人類学)、小池ん 氏(新しい人代表)


【展覧会場】
アキバタマビ21
〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 201・202
電話:03-5812-4558
URL: http://www.akibatamabi21.com

アクセス:
東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分
東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分
都営大江戸線上野御徒町駅A1番出口より徒歩6分
JR御徒町駅南口より徒歩7分
JR秋葉原駅電気街口より徒歩8分

「アキバタマビ21」は多摩美術大学が運営する、若い芸術家たちのための作品発表の場である。ここは若い芸術家たちが、互いに切磋琢磨しながら協働し共生することを体験する場であり、他者と触れ合うことで自我の殻から脱皮し、既存のシステムや権威に依存することなく自らをプロデュースし自立していくための、鍛錬の場でもある――そうありたいという希望を託して若い芸術家たちにゆだねる、あり得るかもしれない「可能性」の場であり、その可能性を目撃していただく場所である。

http://www.akibatamabi21.com

全文提供:アキバタマビ21


会期:2018年10月28日(日) 〜 2018年12月2日(日)
時間:12:00~19:00(金・土は20:00 まで)
休日:火曜休場
会場:アキバタマビ21

最終更新 2018年 11月 18日
 

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