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Artificial S 5 / 心臓よりゆく矢は月のほうへ:麥生田兵吾展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2018年 9月 01日

展覧会DMイメージ

Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2018年9月7日(金)から9月23日(日)まで、写真家・麥生田兵吾による個展「 Artificial S 5 / 心臓よりゆく矢は月のほうへ 」 を開催いたします。

麥生田兵吾(むぎゅうだ・ひょうご/1976年・大阪生まれ)は主題として「Artificial S」掲げます。この大文字の「 S 」は “Sense=感覚(感性)” ”Subject=主体” あるいはエスは ”Es=無意識” などの複数の意を持ち、「 Artificial S 」とは「 人間の手によりつくられた、人間が獲得し得る ”それら S” 」として位置付けられています。

麥生田は「 Artificial S 」を1〜5章に分類しており、これまでPARCでは連続4年に渡って各章ごとに展覧会を開催しています。2016年の「 Artificial S 1 / 眠りは地平に落ちて地平 」では、写真と写真、写真と非写真を組み合わせることで『「生」を前景化させ、生と死の狭間にある「今なるもの」に触れる』に取り組み、2014年の「 Artificial S 2 / Daemon 」では、『わたしに内在する原初的なイメージ(=自我)の発見』を、2015年の「 Artificial S 3 / 後ろから誰か(他の)がやってくる 」では、鑑賞者(レンズ)を見つめる無数のポートレートと、鑑賞者の眼差しの交錯に『見る / 見られる、主体と客体の発見と微かな疑い』を、2017年の「 Artificial S 4 / 左手に左目|右目に右手 」では、『「私」の眼差しに交錯する主体・客体の埋没した関係性の発見』をテーマに取り組まれたものです。

本展「 Artificial S 5 / 心臓よりゆく矢は月のほうへ 」は「死や虚無」をテーマに持つものですが、それは社会的制度に定義される通常化された死ではなく、『「私」のありかを問うことで視覚の世界に折りたたまれたものを思考し想像し、「今=死」を起こさせる』ことを目的に取り組まれるものです。ここに麥生田は「見る(私)という主体を疑うこと」について、「目を閉じてみる」ことを写真によって促します。そして生じる「死」を通して、「私はつくられた私であって本当のわたしはもっと内に、もっと奥にあるのではないか」という「今(現在)」への疑問に触れ、またその先に「生」への希望を探し出そうとします。

5年に渡って「 Artificial S 」という主題に迫り、その向こうに眼差しを向ける麥生田兵吾の現在を(目を開き・目を閉じ)体験いただければ幸いです。

http://www.galleryparc.com

全文提供:Gallery PARC


会期:2018年9月7日(金) 〜 2018年9月23日(日)
時間:11:00~19:00
休日:月曜日
会場:Gallery PARC

最終更新 2018年 9月 07日
 

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