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明暗元年
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2018年 6月 25日

「明暗元年」メインビジュアル

    松蔭浩之と三田村光土里による講座「アートのレシピ」の20名以上に及ぶ修了生有志は、東京下町エリアの7会場を中心に、グループ展「明暗元年」を開催する。
     今上天皇退位後の2019年5月1日、皇太子の新天皇即位をもって新元号となる見通しだ。「平らかに成る」とした現今の元号が、この30年余りの世相を反映していたかはさておき、私たちは、ここに新元号を「明暗」と仮定する。先行きが不分明なこの国の現在において、明か暗か、その差異=コントラストの内において、あり得べき未来を想像してみたいのだ。
     そもそも、光と影を捉まえることは美術の根幹だろう。デッサンは言うに及ばず、たとえばカメラの起源は、ラテン語で「暗い部屋」を意味する装置「カメラ・オブスクラ」だった。被写体の光線を暗箱に投射し、射影された像を得る。すると原理的に、その像は反転された形で映し出される。では、私たちの「アート」なる針穴を通して浮かび上がる、倒立した、逆さまの、パラレルな立像は、果たして如何なるものなのだろうか。
     夏目漱石の長編小説『明暗』は絶筆として未完に終わっている。物語と同様、言うまでもなく結末の見通せない現実の中、各々のやり方、各々のスタイルで、かそけきイメージは結ばれるだろう。その刹那、未だ見ぬ「明暗元年」の項が開かれるはずだ。(文責:中島晴矢)

※ 会期中の土日祝のみオープン(全7日間)
※ 500円で会期中何度でも展示を見られるパスポートチケット制
※ チケット販売会場:space dike、sheepstudio、spiid、あをば荘、float
※ 展示の詳細や関連イベントについては、展覧会の公式サイトをご確認ください

http://gigmenta.com/2018/meian

全文提供:美学校・ギグメンタ実行委員会


会期:2018年6月30日(土) 〜 2018年7月16日(月)
時間:13:00 - 19:00
休日:会期中の平日
会場:space dike、sheepstudio、spiid、デトロイトコーンクラブ、あをば荘、まぼろし空間ユブネ、float

最終更新 2018年 6月 30日
 

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